消費税導入時や、税率3%から5%への引き上げの時は、ともに所得減税とセットだったので、経済への影響は基本的に中立だった。

 14年4月の税率8%への引き上げが、駆け込み・反動減などの混乱を招き、景気回復に時間がかかったことは事実だ。消費増税は今回だけに終わらないだけに、今回の引き上げで経済への悪影響は避けたい、何とか消費増税の「成功体験」を持ちたいという政権の気持ちは理解できる。

 しかし今回は、税率引き上げ幅は2%である。

 14 年度は増税幅が3% 、家計の負担増は 8.2 兆円とされた。消費や景気の落ち込みを防ぐ対策は打たれたが、公共事業中心で一般国民にはほとんど還元されなかった。 

 だが今回の10%増税では、食料品などには1兆円規模の軽減税率(8%)が導入され、また年金生活者支援給付金、教育無償化などが予定されている。日銀レポートでは家計のネット負担額は、2 兆円程度と大きなマイナス効果は予想されないとしている。

 多くの民間エコノミストも、世帯当たりの年間負担増は4万円強と計算している。

 消費税収の使途変更も行われ、増収分のうち国債償還に充てる割合は減らされ、教育無償化などに使われる。その政策パッケージを見ると、図の通りである。

(ここに図表1消費税率引き上げで実現する政策を置いてください)

 幼児教育の無償化は、全ての3歳から5歳までの幼稚園、保育所などの費用を無償化、0歳~2歳児について住民税非課税世帯には無償化、高等教育についても一部無償化するなど手厚い内容になっている。