上海の日本料理店「丸忠」の加藤寛之総料理長は自ら福建省の養鰻場まで仕入れに足を運ぶ
上海の日本料理店「丸忠」の加藤寛之総料理長は自ら福建省の養鰻場まで仕入れに足を運ぶ Photo by Konatsu Himeda

中国人の奥様方が大行列する日本の「ウナギ」

 引く波もあればまた打ち寄せる波もある。その繰り返しが上海だ。日本料理の飲食市場についてはブームの真っただ中。従来は上海在住の日本人が主なターゲットだったが、その市場が先細る今、「中国人向け市場」が裾野を広げている。

「上海市場、チャンスはまだある。私からすればダイヤモンドがいっぱい転がっているように見えるんです」

 こう語るのは、上海の虹橋地区に出店する日本料理店「丸忠」で総料理長を務める加藤寛之氏だ。同店は名古屋市熱田区に本社を置く丸忠グループが独資で経営する。

 同グループが上海の人気スポットである「新天地」近くに回転寿司を出店したのは2013年のこと。だが、軌道に乗せることができず、わずか1年で店を畳んだ。当時、社内の経営会議は「引き揚げムード」に傾きかけたものの、経営陣がリベンジを決意。そのとき、上海事業の再建に自ら手を挙げて総料理長を引き受けたのが加藤氏だった。