人を動かすには「15秒で伝える」ことを心がける!
元人気DJ、さらに不動産会社でのトップ営業やベンチャー企業で取締役営業本部長を経験、そして、現在はトップ講師プロデューサーとして、延べ2万人を指導している話し方のプロが教える新刊、『相手のキャラを見きわめて15秒で伝える!』
この著書の発売を記念して、研修などで教えているノウハウや、すぐに使えるワザをご紹介します! 営業職はもちろん、部下や上司とのコミュニケーションで悩んでいる人は必見です。

コロコロ意見が変わる上司に
ストレートな物言いは危険!

この連載の第1回はコチラから!

第14回は、なかなか報告ができない部下にどのように声掛けをしたらよいか、ということをご紹介しました。

今回は『昨日と今日とで指示が違うといった抗議を上司にどう伝えるか』です。

朝令暮改とはよく言ったもので、「昨日と言っていることが違うじゃないか!」と叫びたくなる時は多々あります。

しかし、「昨日はこう言っていたのに矛盾していますよね!」と上司に訴えたところで、良い結果を生まないことは想像できるでしょう。

では、どうすれば良いのか?

まずは、上司の立場に立ってみましょう。
上司からしても、経営陣の方針で言うことを変えざるを得ないということもあるでしょう。
もちろん、世の中の経済も動いていますし、時代も凄いスピードで変わっていますので、その変化に付いていくためには、朝令暮改も致し方ないということも理解しておくべきでしょう。

そんな状況を踏まえて、上司には、違いを指摘するのではなく、目的を聞くと良いでしょう。
「今回の指示は、どういった目的ですか?」

その目的を聞けば「なるほど」と理解できるかもしれません。
やり方は変わるが、それは目的と照らし合わせたときに、そちらの方が有効だと思ったから変えるのであるということなら納得もできます。

もし、ここで明確な答えが返ってこなかったら、どうしたらよいのでしょう。納得がいかないまま、指示変更を受け入れるのはストレスがたまります。

ここは、もう一歩踏み込んで、自分の意見ではなく「組織の目的」など大きな視点から、確認してみます。

たとえば部長から、朝礼で今までの方針と違う指示が出たとします。

部長「今期は、数字に直接繋がらない社内の勉強会や新人育成は一旦ストップして、営業活動に集中しよう」

部下「部署の今年の大方針は、中長期戦略を見据えた土台固めでしたよね?ただ、今回の指示は、目の前の短期の売り上げを取るために時間を割くという方針ですよね?どのように解釈すれば良いのでしょうか?」

自分が個人的な意見で、やりたいとかやりたくないと捉えられると良くありません。しかし、組織視点で、組織の方針と繋げて話をすると、そこに対して上司は否定できないはずです。
その上で、納得いく説明を引き出すのです。

もちろん、中長期の戦略と短期の戦略はどちらか一方を取るのではなく、両方必要です。
そんな中で、朝令暮改の指示の理由が説明されればOKでしょう。

また、そう言われたら上司も本音で話をするしかなくなる場合もあります。

部長「君の言う通りなんだよ。ただ、実は他部署で納品トラブルがあったせいで、今期の売り上げに大きな穴が空いてしまった。そこの穴埋めをしないと中長期の計画も崩れてしまうから、ここは協力して欲しい」

そういったコミュニケーションができるようになれば上司と部下との信頼関係も築けるでしょう。

そもそも「上司の指示が違う!」という大部分の理由は、上司と部下とのコミュニケーション不足です。

ただ単に指示の違いに抗議をしても関係性は悪化するだけで根本解決に至りません。さらに矛盾する指示を受け入れている組織は活性化しないですし、モチベーションも上がりません。

しっかりコミュニケーションを取ることで目的を明確にし、納得して仕事ができる状態になった方が、個人も組織もプラスになるでしょう。

気分で指示が変わる上司には
クギを刺しておく

また、あまり何も考えずにその日の気分で指示を出している上司は、しっかりこちらから突っ込むことで軌道修正もできます。

上司「そうそう、前に話していたお客様満足企画って、面白そうだから明日までに纏めてくれない?」

部下「(出た!気まぐれ指示!…)はい。あの企画は面白いと思いますが、今週は売り上げをアップするために販促企画に注力するという方針でしたよね? 販促企画とお客様満足企画は、どちらを優先させますか?」

上司「あっ、そうだな。……じゃぁ、今週は販促企画が大事だから、来週末までで良いよ」

上司の言うことは否定せずに、自分の指示の矛盾に気付かせてあげるのが良い突っ込みです。
是非、納得がいかない指示はそのまま放置せず、しっかりコミュニケーションを取ることで解決しましょう。

コロコロ意見が変わる上司と<br />上手くコミュニケーションを取るには?羽田 徹(はだ とおる)
話し方コンサルタント・トップ講師プロデューサー・株式会社web-school.tv代表取締役
大学生の頃よりラジオDJを始め、1998年に大阪人気No.1のFM802主催の新人DJオーディションに合格。その後FM愛知や文化放送でラジオオDJとして10年間活動。番組降板により挫折し不動産投資会社の営業に転職。話し方を武器にさらに営業力を磨き、2年目にトップ営業になる。2008年にはその営業力が認められ倒産寸前だったロープライス眼鏡会社の取締役営業本部長に就任し、当時64店舗から110店舗への躍進を支える。またインターネットカフェ最大手にて社外取締役を歴任。2012年、ラジオDJとしての話し方の技術、営業力、組織マネジメント力、経営経験などを生かし、組織人事コンサルタント会社のリンクアンドモチベーションにてナビゲーター(研修講師)、ファシリテーターとして活動。大手企業からベンチャーまで年間100件以上登壇、延べ2万人以上の人たちと接する。研修講師の採用や育成の責任者も兼任。新人やマネジメント研修、エグゼクティブへのスピーチ・プレゼン指導、組織活性ワークショップ、働き方改革の為のロジカルシンキング講座などを得意とする。自身の経験から「学びでこの世界を豊かにする」を理念として活動中。著書に『ビジネスマンのためのスピーチ上手になれる本』(同文舘出版)がある。社会人のための「話し方動画教室オンライン」運営。