人を動かすには「15秒で伝える」ことを心がける!
元人気DJ、さらに不動産会社でのトップ営業やベンチャー企業で取締役営業本部長を経験、そして、現在はトップ講師プロデューサーとして、延べ2万人を指導している話し方のプロが教える新刊、『相手のキャラを見きわめて15秒で伝える!』。
この著書の発売を記念して、研修などで教えているノウハウや、すぐに使えるワザをご紹介します! 営業職はもちろん、部下や上司とのコミュニケーションで悩んでいる人は必見です。
励ますといったんはやる気がでても、
すぐにモチベーションが下がる部下への接し方とは?
この連載の第1回はコチラから!
第11回は、部下に「ダメ出し」ができない上司が、どのように指示をしたらよいか、ということをご紹介しました。
また第12回では、会議で積極的に参加してもらうための伝え方と、部下への接し方について書きましたが、今回も同じように、部下のやる気を引き出す伝え方をご紹介しましょう。
人のやる気(=モチベーション)は長続きしません。
モチベーションには波があり、誰しもが、上がったり下がったりします。
しかし、このモチベーションの波が大きかったり、下がっている期間が長いと厄介です。
仕事でパフォーマンスを出そうと思ったら、可能な限りモチベーションの波を小さくし、高い位置で保つことができるのが理想です。
モチベーションが下がっている部下には「できないことに、とらわれるのではなく、自分ができることに集中をしよう!」と声を掛けてあげてください。しかし、なぜ、それがやる気を保つことになるのでしょうか。
メジャーリーグで年間安打数262本の世界記録を打ち立てたイチローは、モチベーションを保つ天才でもあります。自分がどのような環境に置かれても自分ができるベストを尽くす姿はプロの鏡です。
そんなイチローは、安打数には拘っていても首位打者には拘らなかったと言います。
その理由は明快です。
「安打は自分が打てば積み重ねられるが、首位打者は他人が自分より打率が高ければ取れないので、自分ではコントロールできない」からです。
つまり、他人の動向を気にすることなく、自分自身がやるべきことに集中をしていたのです。これは、このイチロー選手や、世の中の一流と言われるビジネスパーソンには共通したものです。
逆に、すぐにモチベーションが下がる人の特徴は、“自分がコントロールできないもの”に対して余計な感情を持ち、イライラを募らせるのです。具体的には、他人の言動を気にしたり、会社が悪い、世の中が悪い、環境が悪いと、今の悪い状況をすべて自分以外のせいにしてしまっています。
このように、“他人”や“環境”に対してイライラして神経を使っている状態だと、自分自身のモチベーションは保てません。
では、どうしたらよいのでしょうか? それは、イチローのように、“自分がコントロール可能なもの”に対して集中をさせるのです。
他人や環境というのはコントロールできないものなので、一旦置いといて、自分に何ができるのか?に集中させるのです。