テレビCMの長さは通常15秒です。人は、他人の話を聞いて、覚えているのはキーワードのみ。ですから、ひとつのメッセージは15秒以内に、そして最初から、伝えたいキーワードを決めて話す。これを知っているかどうかで、仕事のパフォーマンスが違ってきます。
元人気DJ、さらに不動産会社でのトップ営業やベンチャー企業で取締役営業本部長を経験、そして、現在はトップ講師プロデューサーとして、延べ2万人を指導している話し方のプロが教える新刊『相手のキャラを見きわめて15秒で伝える!』から、内容の一部を紹介します。
伝え方次第で、仕事はうまくいく
ビジネスの世界においては、具体的な会話なしでは事が進みません。もちろん、昨今はメール連絡も欠かせませんが、商談や、会議、依頼、プレゼンなどの場では、やはり何を、どうやって話すかが重要です。
伝え方次第で、取引が成立したり、提案が通ったり、自分の仕事がやりやすくなったり……と、うまく伝えることができれば、その効果は計り知れません。
つまり、ちょっとした努力で、最高の効果を発揮できるのが「伝え方」のテクニックなのです。
今や、誰もが忙しく、時間がありません。そんなときにだらだら話していても、きちんと聞いてはくれません。例えば、あなたが、誰かからオススメの商品を紹介されたとします。5分ぐらい説明を聞いて、いったいどれだけのことを覚えていますか?
ほとんどの言葉を覚えていないでしょう。
ただし、気になるキーワードがあれば、そのキーワードだけは覚えているはずです。人は、文章では覚えてくれないのです。だからこそ、話す側も、最初から伝えたいキーワードを決めて話す。これを知っているかどうかで、仕事のパフォーマンスが違ってきます。
15秒で伝えることを意識する
人が集中して聞いていられるのは3分だといわれていますが、伝えることに限っていえば、その最適な時間は「15秒」です。
短い、と思うかもしれませんが、この15秒という数字は、テレビCMで標準的に流れるバージョンの長さです。要するに15秒もあれば十分に商品の魅力を伝えられるのです。
逆に15秒で商品の魅力を伝えられない場合は、その商品がお客様にとって分かりづらいものだと思った方が良いでしょう。
必要最低限にして十分な15秒という時間が、「伝える」上で、大きなカギになります。私はもともとラジオのDJをしていましたが、ひとつのメッセージは15秒以内を意識していました。この長さをひとつの塊と意識して、1つの話題は集中力の切れない3分以内にするのです。
これを意識しないと、すぐに別の放送局に変えられてしまうというのが理由ですが、この原則はビジネスの世界に入って非常に役立ちました。
そんな私も、過去には人とは仲良くなれるけど、人への伝え方が下手だったために、仕事で全く結果が出せない日々がありました。