これらのスタンドは「フルサービス」と「セルフサービス」の大きく二つのタイプに分けることができる。フルではスタンド従業員が車を誘導し、給油してくれる。さらにエンジンオイルのチェックなどのメンテナンス、窓を拭くといった簡単な清掃もしてくれる。基本的に顧客は何もしなくてよい。
一方のセルフは、スタンド従業員は常駐しているが、給油は顧客が行う。メンテナンスなどのサービスは基本的に受けられない。
フルはサービス重視のため高コスト運営で、店頭ガソリン価格も高いことが多い。反対にセルフは、効率重視で低コスト運営。顧客の回転を早めて販売量を追うため、ガソリン価格はフルよりも安い。
小嶌教授は、20年ごろまでに、すでに佳境に入っている「フル対セルフ」の業態間競争が終焉を迎え、安さを売りにするセルフに軍配が上がると予測する。顧客は過剰なサービスよりも低価格を選び、フルは、セルフよりも先に市場退出を余儀なくされるというのがその理由だ。