すべては「目的」から。

P&Gでは、書類やメールに限らず、この考え方があらゆる仕事に浸透していました。会議もそうです。まずは「目的」を述べます。それは、できるだけ会議を短くしたいからです。目的を逸脱したり、議論があちこちに飛んでしまわないようにするわけです。

自分が会議を主催する時には、事前に「目的」と簡単な「背景」、それに自分はこうしたいという「結論」をメールで送っておきました。そうすると、参加者が会議に来る段階ですでに、私の「結論(提案)」に賛成か反対か、各自のポジションが決まっているので、賛成か反対かの理由について討議すればいいのです。その場に集まってから、会議の内容を共有して、ああだ、こうだ、と考えるよりも、はるかに効率的です。

いろんな人が参加しますから、参加者がその会議に使う時間をいかに最小化するか、ということを常に考えます。できるだけ早く、自分の職場に戻してあげよう、というような効率性への配慮が求められます。そうすることで、自分だけではなく、まわりも含めて全体として効率を追求できるのです。時間ではなく成果を追求できるのは、自分だけではなく会社全体で努力をしているから、というわけです。この考え方は、素晴らしいと思いました。

会議も書類もメールも、目的、簡単な背景、そして結論。最初だけ、読んだり聞いたりすれば理解できるようにするのが、基本です。どうしても長くなりがちな理由は、最後にするのです。常に、不必要なメールを送らないことも含め、相手の仕事の効率を考えることが大切だと思います。