地方局のアナウンサーから史上最年少の36歳で福岡市長に就任。
逆風のスタートから、いかにして福岡を「最強」と言われる都市に改革していったのか?
就任から8年、2018年11月の市長選では28万票以上を獲得し、
前回の市長選(2014年)に続いて史上最多得票を更新した。
しかし、そこに至るまでの道のりは、第1回の記事のとおり、決して平坦なものではなかったという。
今では海外で「福岡市長ですよね?」と大学生から声をかけられるようになった高島氏。
ハードな日々を送るなかで、今こそすべての人たちに伝えたい、熱く前向きなメッセージとは?
博多駅前道路陥没事故の復旧や、熊本地震の際のSNS活用方法をはじめとした取り組みで注目を集める高島市長は、まさしく福岡市の【経営】者だ。そんな彼の仕事論・人生論が詰まった、初の著書『福岡市を経営する』(ダイヤモンド社、現在3刷)から、その一部を再編集して特別公開する。
<構成:竹村俊助(WORDS)、編集部、著者写真撮影:北嶋幸作>
ニュージーランドで大学生に
「市長ですよね」と声をかけられる
「高島市長ですよね? 市長が成人式で述べられた言葉を聞いて、すごく勇気をもらいました。それで、自分もチャレンジしようと思ってここに来ているんです!」
ニュージーランド・オークランド市との姉妹都市関連事業のために現地を訪問していたときのこと。交差点で信号待ちをしていたら突然、大学生の男の子にこう声をかけられました。
彼は留学のためにオークランドに来ていたそうで、このときに一緒に撮った写真とともに、さらなる決意をInstagramにアップしていました。実際に自分自身で人生を切り拓くために挑戦を始めた学生から直接声を聞いて、私も本当にうれしく思いました。
毎年私は、成人式で新成人のみなさんに言葉を贈ります。これから社会へ旅立つ新成人へ強く伝えたいメッセージがあるので、私は毎年ほぼ同じ内容を伝え続けています。そしてしっかり覚えてもらえるように、あいさつはできるだけ短く、シンプルに私の思いを伝えているのです。短いのでご紹介させてください。
<あいさつここから>
新成人のみなさんにとって大切な節目の日に、心をこめて、私が大切にしているふたつの言葉を贈ります。
まずひとつ。「成功の反対は失敗ではない。成功の反対は挑戦をしないこと」
失敗したっていいのです。そこから得るものは、かならずあるはずです。だからどんどんチャレンジをしてほしい。夢を持ってほしい。
夢には2種類あります。「寝て見る夢」と「起きて見る夢」ぜひ起きて見る夢を見て、その夢を目標に変えてほしいと思います。目標がはっきりすれば、日々見聞きするニュースや、人の話がまったく違って聞こえてくると思います。
そうすれば日々の行動が変わります。日々の行動が変われば、習慣が変わります。習慣が変われば、みなさんの人生が変わります。
ぜひ「起きて見る夢」を見て、その夢を目標に変えて、チャレンジをしてほしいと思います。