世界で60%ものシェアを持つロボット掃除機、ルンバ。その開発元である米アイロボット社の創業者、コリン・アングルCEOのインタビュー完全版をお届けします。ロボティクスとAI(人工知能)、そして「ルンバの次」について聞きました。(聞き手/「週刊ダイヤモンド」編集部 鈴木洋子)
――足元のビジネスの概況はいかがでしょうか。
昨年、歴史上初めてのことがアメリカで起きました。従来型の掃除機に代わってルンバが掃除機として一番売れた商品になったのです。最大市場の米国のみならず、日本も欧州も年率10%台半ばぐらいの高成長を維持しています。
ロボット掃除機市場はわれわれが創造し、当社はこの16年間を、ロボット掃除機の改良と革新に投資することに費やしてきました。ルンバは競合他社の製品にはないダブルラバーブラシを持っていて、吸引力は強いが髪の毛などが絡まないよう設計されている。そのためブラシを掃除する必要がないのです。
また、一度掃除をしただけでは充分きれいになっていない場合に、もう一度掃除した方がいいのかどうかの判断をルンバに搭載されたホコリセンサーが行います。だからこそアイロボット社は世界で60%という非常に安定的なマーケットシェアを享受しているのです。
――ロボット掃除機の競合には掃除機メーカー世界首位の英ダイソンもいます。
彼らのマーケットシェアは1%以下ですから、まったく比較になりません。ロボットを作るのは容易なことではない。アイロボット社は今年だけでロボティクス技術と製品開発に1億4000万ドルを投じています。これまで累積で研究開発に7億5000万ドルを投じ、16年間かけて、設計もどんどん改善してきたのです。