掃除機ロボット「ルンバ」の“生みの親”として知られるロドニー氏。そんなロドニー氏が、近年力を入れるのが「協働ロボット」と呼ばれる人間と同じ場所で働けるロボットの開発だ。ロボットの世界に起きている変化と展望を聞いた。(聞き手/週刊ダイヤモンド記者 山本 輝)
深紅に染まる全長1mほどの小さなロボット。7軸のアームが複雑に折れ曲がりながら、滑らかに動き回る腕と、先端の爪先で小さなチップを正確につまみ上げ、集積回路の基盤に丁寧にはめ込んでいく。腕の動きに合わせて揺れ動く、頭部のディスプレイに映るまなざしは、どこか愛らしい。
その繊細な躯体と、多数の力覚センサーがもたらす人間のような細やかな挙動は、人と寄り添いながら稼働する。そんな、産業界に革命をもたらすと言われる協働ロボットが、リシンク・ロボティクスが開発したソイヤーだ。
──リシンク・ロボティクスが開発した「ソイヤー」のような、人と同じ生産現場で活動できる“協働ロボット”と呼ばれる機械が増えています。その背景は何でしょうか。
一つには人手不足が挙げられます。よくあるロボット脅威論の中には、「機械が人間の仕事を奪う」という考えもありますが、実態は真逆です。労働力の不足を補うために、経営者はロボットの導入をする必要があるのです。