いま仮想通貨の世界で、STOという言葉が飛び交っている。
これは、「セキュリティトークン・オファリング(Security Token Offering)」の略で、「セキュリティトークン」と呼ばれる仮想通貨を用いて資金調達することだ。
「STOが新しい資金調達の手段として脚光を浴び、注目されている」と言われることがあるが、実際には逆で、仮想通貨を用いる資金調達に対して規制が強まっていることを示すものなのだ。
日本でも、仮想通貨を用いる資金調達への規制が強化されようとしている。
こうした方向は、どのように評価されるか?
仮想通貨による資金調達を健全化するには、どのような方策が取られるべきか?
「セキュリティトークン」とは
何か?
「セキュリティトークン」とは、アメリカ証券取引委員会(SEC)がつけた名称である。
SECは2017年7月に、資金調達のために発行するトークン(仮想通貨)はセキュリティ(有価証券)と見なされることがあるとし、その場合には、発行体やトークンを扱う取引所はSECに登録するか、登録義務免除の申請をする必要があるとの見解を出していた。