前年同期比で見ると、売上高は+6.0%で4-6月期の+5.1%から伸び率が拡大し、8四半期連続の増収となりました。ただ、海外景気の減速による輸出の足踏みに、自然災害による供給制約の下押しも加わり、製造業の売上高は4-6月期の同+6.7%から7-9月期は同+4.3%へと鈍化しました。

 経常利益は、前年同期比+2.2%と9四半期連続で増益となりましたが、前の四半期は同+17.9%でしたので、伸び率は大きく鈍化しました。内訳をみると、コスト増などから製造業が同▲1.6%とマイナスに転じました。非製造業も同+4.6%と減速しました。

 コスト面では、原油価格上昇などによる売上原価の上昇が売り上げを上回ったため収益率を圧迫しました。なお、人件費の増加率は4.2%と売り上げの伸びを下回っており、収益率を圧迫する要因ではありませんでした。

 なお、今回の法人企業統計でより注目を集めたのは設備投資です。全産業(金融・保険業除く)の設備投資は、前年同期比+4.5%と8四半期連続のプラスとなりましたが、4-6月期(同+12.8%)から伸び率が大きく縮小しました。内訳をみると、製造業が前期の同+19.8%から+5.1%へ、非製造業も同+9.2%から+4.2%に、それぞれ減速しました。また、GDP改定値を算出する基礎となり、注目度の高い「ソフトウエア除く全産業」の設備投資の季節調整後の前期比は▲4.0%と、5四半期ぶりに減少しました。

 この設備投資の減速は、前期の伸びが大きかったことや自然災害の影響が投資の先送りにつながったことが背景にあると見られますが、これらの要因を勘案してもやはり低調と考えられます。日本企業の中国からの工作機械受注が大きく減速していますが、このところの景気に対する最大の不透明要因の米中貿易摩擦の影響を受けて、日本企業が設備投資に慎重になってきた可能性があり、注意が必要です。