そして最終決定できるトップが視察に来るように段取りをして、そのときに実際の訓練を見てもらい、「ああ、たしかにこれは必要だ」と言ってもらうように仕向けました。この作戦は功を奏し、その後一気に私が考えている方向へと話が進んだのです。

 まるで「オセロゲーム」のようでした。

 たくさんの黒(反対)が、あっという間に白(賛成)にひっくり返るような感じです。

「絶対にやるんだ」という気持ちがあれば、できていないことは問題ではありません。

 何か目の前に障害や壁が出てきても、どうしたら状況を変えられるのかという「ポジティブな緊張」になるので、落ち着いて状況をゲーム的に楽しめるようにもなれる。

「お、壁が出たな。ゴール(エンドステート)にたどり着くには、ここは絶対にクリアしておかないといけないんだな」などと考えることもできます。

 先のオセロゲームの例であれば、まわりが全部黒くなっても、真ん中に白い石がたった一つあれば、すでに囲んでいる黒は身動きがとれなくて、逆に白はどこに置いてもひっくり返すことができる。「まわりは全部敵がいい」という心境。

 壁があらわれたら、逆転状況を生み出すアイデアを、楽しみながら考えてみるのです。

 どうやって相手を説得するか。

 まわりに協力してもらえるか。

 それを考えるときにあまり目の前のことにとらわれてしまうと、全体が見えなくなり、にっちもさっちもいかない、などと、「ネガティブな緊張」におそわれ平常心でいられなくなってしまいます。