判明時期を巡り渦巻く疑念

 JPXによれば、清田氏によるインフラファンド2銘柄の購入が社内で判明したのは、10月18日のこと。投資先の一つとなったタカラレーベン・インフラ投資法人の有価証券報告書で清田氏が大株主となっているのに気付いたJPX社員が上司に報告して分かったという。これはちょうど、政府の規制改革推進会議で大田弘子議長(政策研究大学院大学教授)が自ら「ぜひとも実現させたい」と切り出し、総合取構想が一気に動き出した10月12日の直後のタイミングと重なるのだ。

 JPXは、発表が11月27日にずれ込んだ理由は臨時監査役会開催などの手続きを経たためとしているが、問題は社内での判明時期がなぜ、今年の10月中旬だったかだ。というのも、清田氏によるインフラファンドの購入時期は16年12月~2018年8月であり、大株主になったとの事実は、8月末時点で提出されたタカラレーベン・インフラ投資法人の有報から確認できる。

 つまり、しばらくネット上で誰でも閲覧できる状態だったにもかかわらず、社内での発覚が10月中旬になったのは、清田氏を追い込んで総合取構想を頓挫させたい反対派にとって都合がよすぎないか――。このような見方から、関係者間では「総合取の反対派が清田氏失墜を狙って身辺を粗探ししたのでは」といった噂で持ち切りとなっているのだ。

 では、誰が清田氏を“刺した”のか。関係者界隈でまことしやかに噂されているのは、東商取や経産省など以前から総合取構想に反対してきた外部者説ではなく、なんとJPXの“内部告発説”。総合取を巡る考え方はJPX内部でも一枚岩ではないからだ。

JPX内部者に経産省への不信感

 JPX内部の反対派筆頭とみられているのが、JPX自主規制法人の佐藤隆文理事長(元金融庁長官)、そして社外取締役で取締役会の議長を務める津田廣喜氏(元財務次官)。その理由は総合取が実現した場合、統合スキームの行方にもよるが、JPXの監督官庁が金融庁だけではなくなり、何らかの形で経産省が加わる可能性が高まることにある。