著者累計700万部突破のベストセラー作家で、現在8万部の『大富豪からの手紙』著者・本田健さんと、小泉政権では大臣として不良債権処理や郵政改革に当たったエコノミスト・竹中平蔵教授(東洋大学教授/慶應義塾大学名誉教授)の対談が実現しました。
今、日本が抱えている課題とその「処方せん」について、お二人に語り合っていただきました。

日本の資本主義は、アメリカ型か、スウェーデン型か?

竹中平蔵(たけなか・へいぞう)
1951年、和歌山生まれ。一橋大学経済学部卒業後、日本開発銀行入行。大阪大学経済学部助教授、ハーバード大学客員准教授、慶應義塾大学総合政策学部教授などを経て、2001年より経済財政政策担当大臣、金融担当大臣、総務大臣、郵政民営化担当大臣などを歴任。現在、東洋大学国際地域学部教授、慶應義塾大学名誉教授。ほか、公益社団法人日本経済研究センター研究顧問、アカデミーヒルズ理事長、(株)パソナグループ取締役会長、オリックス(株)社外取締役、SBIホールディングス(株)社外取締役、世界経済フォーラム(ダボス会議)理事などを兼職。

本田:私は、とくに「リーマン・ショック」以降、「資本主義が、大きな節目を迎えている」と感じているんです。竹中先生は、これからの資本主義はどの方向に進むと考えていますか?

竹中:「資本主義は終焉する」という論調もありますが、私はそうは思っていません。資本主義はこれまでも形を変えてきたし、「時代の文脈の中」で、これからも形を変えていくでしょう。
資本主義を考えるとき、「日本はアメリカ型の資本主義か、スウェーデン型の資本主義か」という議論がなされますが、そういう「紋切り型の考え方」をしてはダメなんです。「AかBかの選択肢の中で、Cを考える力」が必要なのです。私はそもそも、「資本主義にアメリカ型もスウェーデン型もない」「アメリカもスウェーデンも、実は、よく似ている」と考えています。
スウェーデンは、本当に厳しい国です。自動車会社のサーブが潰れそうになって国に助けを求めたとき、スウェーデン政府は、「こんな弱い企業を残していたら、経済が悪くなる」といって、助けなかったんです。
アメリカとスウェーデンは、「得た富をどのように分配するかという点」では大きな違いがありますが、「サプライサイド(供給力を強化することで経済成長を達成できる)を強くするという点」では、すごく似ています。
けれど、日本はJALを助けました。だから日本は、ちょっと異色なんです。