100万部を突破した『ユダヤ人大富豪の教え』の著者、本田健さんと、アメリカで「イチローの次に有名な日本人」とも呼ばれた吉田潤喜さん(ヨシダソース創業者/ヨシダグループ会長兼CEO)の対談が実現。
本田健さんの最新刊『大富豪からの手紙』の中で書かれている「人生で大切な9つのテーマ」((1)偶然、(2)決断、(3)直感、(4)行動、(5)お金、(6)仕事、(7)失敗、(8)人間関係、(9)運命)について、お二人に語り合っていただきました。対談の模様を3回に渡ってお届けします。
対談の1回目は、「偶然」「決断」「直感」について、です。(Photo by 森藤ヒサシ)
偶然に起きることはないし、偶然に出会う人もいない
本田 2018年3月に出版した私の新刊、『大富豪からの手紙』は、大富豪の祖父が残した「9つの手紙」に導かれ、大学生の主人公が「人生の秘密」を追い求めて旅に出る「学びと感動のストーリー」なんです。
手紙は、「1:偶然」「2:決断」「3:直感」「4:行動」「5:お金」「6:仕事」「7:失敗」「8:人間関係」「9:運命」の順番で開いていきます。最初に「偶然」について書かれた手紙が届くところに、この本の大切なエッセンスがあります。
大富豪の祖父は、第1の手紙【偶然】の中で、「すべてのことには意味があって、自分を幸せにするために起こっている」「偶然に起きることはないし、偶然に出会う人もいない」と書き残しています。
考えてみると、誰もが、「偶然」からスタートしていることが多いと思うんです。吉田さんも、そうだったのではありませんか?
吉田 まさにそのとおりで、すべてが「偶然」でしたね。自分から何かを戦略的に仕掛けたことは一度もないかな。
19歳で単身渡米してからは、庭師や皿洗いなどのアルバイトで食いつないでいたのだけれど、そんな僕が、アメリカで「空手道場」を引き継ぐことになったのも偶然だし、「ソース」をつくるようになったのも、偶然だし……。
本田 そもそも、どうして、「ソース」をつくることになったのですか?
吉田 僕が空手道場をはじめた当初は、ブルース・リーが大人気だったこともあって、生徒数はどんどん増えていました。最盛期には、200人以上いたんじゃないかな。けれど、やがて不況の余波で、空手道場が暇になってしまって……。
クリスマスのとき、生徒たちが僕にクリスマスプレゼントをくれたのだけれど、僕にはお金がなくて、お返しするものが何もない。そこで「偶然」に、たまたま思いついたのが、ソースでした。
京都で焼肉屋を営んでいた母親からタレのつくり方を教えてもらって、ビンに詰めて生徒に渡したところ、「もっとほしい!」「お金を払うからつくってほしい!」と大好評! 「これは、商売になるんとちゃうか?」と直感的に思った僕は、すぐに道場の地下でソースづくりをスタートさせた。これがヨシダソースのはじまりです。
すべては偶然で、偶然を「チャンス」ととらえることができるか、できないか。人生の分かれ道はそこじゃないかな。チャンスを逃す人は、「チャンスは偶然の中にある」ことに気づいていないのだと思う。
本田 私も、「日常的に何気なく起きていることに、気づけるかどうか」がとても大切だと考えているんです。
今、幸せに成功している人は、例外なく、ちょっとしたことに気づくセンスを持っていますよね。