「なぜ、あの人はすぐに正解を導けるのか?」「なぜ、あの人は失敗をしないのか?」「なぜ、あの人はやりたいことを実現しているのか?」――とびぬけて頭のいい人は、「迷いのない判断基準」と「瞬時に対応する問題解決能力」を持っています。その2つの能力を普通の人でも使えるスキルとしてまとめた、新刊『MENSA、ISI、HELLIQに所属する天才のパターン思考 2時間で知能が高まる「思考の技術」』から、天才の思考法を紹介していきます。
常に、体の動きをイメージしているから「器用」になれる
子どもの頃、私は小児喘息のためにあまり運動ができませんでした。とくにマラソンのような激しい運動は困難で、しょっちゅう体育の授業を休んでいました。そういう意味では、運動神経は決していいとはいえません。
運動神経が悪いと、「とろい」などのイメージがあり、不器用な人と思われがちなのですが、不思議と人から不器用といわれたことはありません。むしろ手先は器用で、たいていのことは初回か、多くても3回試せばできてしまいます。
器用かどうかは、本来運動神経とは無関係で、上肢(肩関節から手先まで)、とくに指の扱い方で決まります。下肢(股関節から足先まで)を速く動かす能力は必要なく、筋力や体力も関係ないのです。
自分の行動を意識下に置く
では、なぜ私が器用に手を動かせるのでしょうか。
それは、「脳の命令で手が動いている」ということを、しっかり認識しているからです。考えること、意識下に置くことを放棄してしまうと、体は思い通りに動きません。考えて、体を動かすことで、動作がコントロールできるようになるのです。
本来、体は動かせる範囲が決まっています。当たり前ですが、その範囲でしか動くことはできません。その前提で動くとしたら関節や筋肉がどうなるか、それをイメージするだけです。
無意識にやっていることも、そうやって脳を通過させれば、おのずと必要な動作ができるようになります。すべての動作は、合目的的。つまり、目的にかなっているのです。
不器用な人はこのような脳内のシミュレーションができていないため、無理な動き、ムダな動作が多くなってしまうのです。
このように脳内で動きをイメージする作業は、体の動作だけでなく、行動にも応用できます。
たとえば、1日の始まりにその日やることをシミュレーションするのも、動きをイメージすることと同じです。自分の行動を意識下に置くだけで、ムダな時間が減り、効率よく目的にかなった行動ができるようになります。これも、ある意味「器用」といえるでしょう。
私は、朝起きたときに夜までのプランを、仕事以外のことも含めてパッと頭で考えるようにしています。旅行などでも、プランを全部シミュレーションしておいて、「余った時間があったらこれを入れる」と決めておくと、ムダな行動が省けます。
考えること。意識下に置くこと。
それをするだけで、すべての動作・行動は、目的にかなったスムーズなものになります。
まとめ
凡人→脳が体を動かしている実感がない
天才→脳が体を動かしていることを理解している
メリット→動作を意識下に置くことで思い通りに動ける