「なぜ、あの人はすぐに正解を導けるのか?」「なぜ、あの人は失敗をしないのか?」「なぜ、あの人はやりたいことを実現しているのか?」――とびぬけて頭のいい人は、「迷いのない判断基準」と「瞬時に対応する問題解決能力」を持っています。その2つの能力を普通の人でも使えるスキルとしてまとめた、新刊『MENSA、ISI、HELLIQに所属する天才のパターン思考 2時間で知能が高まる「思考の技術」』から、天才の思考法を紹介していきます。
質問に対し、質問が湧き出すアタマに変える
「質問に質問で返す」ことは、本来、マナー違反といわれています。
以前、私は、あまり話したことのない上司から「どうしてその方法を選んだの?」と聞かれ、「もっといい方法があるんですか?」と逆に質問してしまったことがあります。
自分の知らない方法があるなら知りたいという期待から、口をついて出てしまったのですが、上司はかなり機嫌を悪くしていました。
さすがに今では、すぐに質問で返すことはせず、まずはきちんと答えるようにしています。でも本当は、答えているそばから質問したくてたまりません。
「この人はどういう前提で聞いているんだろう?」「自分が想像できないような深い考えを持っているんだろうか?」など、相手に聞きたいことが頭の中に次々と浮かんできてしまうからです。
このような場合、私はその場で疑問を解消します。自分が一通り答えてから相手に質問するか、もしくはすぐあとで個人的に聞きに行くようにしています。
質問の本当の意義とは
多くの人にとって、「質問される」ことは、少々やっかいなのかもしれません。どんな質問が飛んでくるのかと萎縮してしまい、答えるだけで精一杯という人もいるでしょう。けれども、その先にこそ絶好の「チャンス」があります。
質問をされるということは、そもそも相手が自分に興味を持ってくれているということです。そのような相手にはこちらからも質問すると、そこから話題がどんどん広がっていきます。とくに相手が経験豊富なベテランなら、自分の知らないことを知っているかもしれません。質問することによって、新たな知識を得られる可能性が高まるのです。
質問の内容は、本題と直接関係ないことでもかまいません。何か一つでもいいので、自分の役に立つ情報を持ち帰ることが大切です。
また、相手が自分の周りにあまりいないようなタイプの人だと、「接点なさそう」と敬遠してしまいがちですが、私はそのような人にも積極的に質問します。
好き嫌いなど一般的なことを聞くだけでも、自分とは違うものの考え方や見方を知ることができるからです。
私は初対面の相手も、よく質問攻めにしてしまいます。煙たがられることもありますが、これも「未知のことを知りたい!」という欲求からにほかなりません。
このような視点で考えると、「質問されたら質問をする」ことは、決して悪いことではありません。
質問をすればするほど、自分の知識のストックは増えていきます。
どんなことでも、聞いて損はないのです。
まとめ
凡人→質問に答えるだけで終わる
天才→質問されると次々と質問が思い浮かんでしまう
メリット→自分の役に立つ知識を効率よく入手できる