米国では図書館で
電子書籍が借りられる!

 米国では、図書館を巡っても、日本では考えられないようなことが起こっています。なんと! 電子書籍を図書館で貸し出しているというのです。

cf. Kindle gets library book lending(2011.04.21)

 この話題は、筆者が主宰するメールマガジンでも、「キンドルで図書館の本が借りられる時代――それってバラ色? それとも灰色?」と題して取り上げたことがあるのですが、要点を記すと以下のようになります。

●キンドル形式の電子書籍が図書館から借りられるようになる。

●すでに国内1万1000の公立図書館でe-book貸し出しサービスを提供中のOverdrive社と提携することで、ファイル形式の特殊性からこれまで未対応だったキンドルでも図書館の電子書籍が利用可能になる。

●利用者は近くの図書館に登録することでその図書館のサイトから書籍ファイルをダウンロードでき、最大3週間の貸出期限を経過するとデータは自動的に消滅する。

●HarperCollins社(出版社)から本記事にあるOverDrive社に対し、電子書籍1タイトルあたりの貸出回数を26回に制限すべしという要望が出された。

 ことの顛末については現在探査中ですが、いくら貸出期限が設けられているとはいえ、同時貸出数が無制限となると、出版社や著者が憤るのも無理はありません。

 背景には、図書館側の存在意義を賭けた貸出競争があるのですが、見方によっては民業圧迫の最たるものでしょう。人口密度の高い日本で同じことが行われれば、読者がAmazonから買うのはKindleだけ、読みたい電子書籍は近くの(大学の)図書館でダウンロード、となって、図書館が電子書籍の供給を席巻することになりそうな気がします。

 しかしながら、カラオケの楽曲のように、貸し出すたびに図書館が(税金を原資に)著作権使用料を支払うのであれば、読者・著者(著作権使用料)・出版社(著作物管理手数料)の三方ともがハッピーなモデルになる可能性はあります。

cf.電子書籍貸し出しブームで蘇るアメリカの図書館と焦る出版社(2011.04.28)