米国でチーズ在庫が過去に例を見ない水準にまで積み上がっている。製造業者は貯蔵量が今後さらに増え、廃業に追い込まれる酪農業者が一段と増えるのではないかと懸念している。全米の冷蔵倉庫には現在、63万トンを超えるアメリカンやチェダーなどのチーズが貯蔵されている。その量は100年前に連邦政府による記録管理が始まってから最大だ。こうした供給過剰の原因は、貿易摩擦によって海外需要が減退する前にチーズ製造業者が生産量を増やしていたことにある。また、消費者の好みの変化も背景にある。チーズには賞味期限があるため、倉庫で数週間貯蔵すれば商品価値は相対的に下がる。製造業者は供給過剰に伴う価格の下落によって利益が損なわれる可能性を懸念している。チェダーチーズの40ポンドブロックのスポット価格は今年、2014年からの比較では約25%下落。プロセスチーズに使われる500ポンドバレルの価格は28%の下落となっている。