経営×経理

 その理由は言うまでもなく、収益・利益を生み出すのは“人”であり、数値管理の専門職である経理部隊と、人員配置や教育が専門である人事部隊との連携が良好でなければ、非効率な経営策ばかりを進めてしまう危険性があり得るからです。

 そうは言っても、これまで長きに渡って、経理部単体で日次、月次、年次の業務に当たり、どちらかと言えば、他部署に対して経理部内で行われている業務をオープンにする姿勢を取っていなかったような方にとっては、なかなか重い腰を上げられないでしょう。まずは、一気に改革を試みるのではなく、徐々に進めてみることをお勧めします。

経理部が人事部と良好に
連携するための「3ステップ」

 さて、何から始めるかですが、3段階に分けて1段階ずつ確実に達成できているかを確認しながら、次のステップに進む方法を取れば、周囲の社員らも徐々に理解が深まり、意思統一が図りやすくなります。

 それでは、具体策についてご紹介します。

【ステップ1】
経理部と人事部が
それぞれの取り組みを共有

 一口で“連携”と言っても解釈は様々ですが、まずは互いの職務が何であるかを理解していないと、単なる「お題目」から一歩も進みません。よって、それぞれが何をモットーにどのような取り組みをしているのか、共有することからスタートします。ただ、互いに効率性・生産性を上げて経営目標を達成することが使命の1つでしょうから、細かな業務内容を列挙するだけではいけません。経理部側であれば、予算実績や財務管理といった経営管理の主軸となる業務、そして人事側であれば、人材育成、配置に的を絞り、互いに何を行っているのか具体的に伝え合い、抱えている課題などを添えながら、できるだけリアルな話し合いの場を設けた方が、互いに興味を持てるようになります。

 要は、他人行儀ではなくホンネトークに近い話し合いです。たとえば、経理部側が「部門ごとの予算実績差異についての資料作成をしているけど、活用しているのでしょうかね?ひょっとしたら、スルーしていたりして……』といった課題感を持っているとしたら、人事部側は経理部側が提供する「予算実績管理表」を思い出し、人材育成をカギとした活用方法を検討するかもしれません。

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大人しい経理じゃいられない! 未来に続く経理道

経理スタッフは「定型的な事務作業をこなす人材」と捉えられがち。彼ら彼女へ向けられる仕事の効率化と言えば、“仕訳の自動化”“仕事を属人化させない”といった、表面上の作業の改善を求めるものばかりだ。しかし、本来は経理=経営管理者なのだ。経理の能力を伸ばし、経営のために力を借りるにはどうしたらよいのか。様々な業種の経理畑を歩み、一担当者から管理職まで様々な立場を経験した著者が、経理環境改善のコンサルタントとして、実務者・管理者への支援活動に当たる中で感じたことをまとめる。

「大人しい経理じゃいられない! 未来に続く経理道」

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