在日中国人の中には、数億円のタワーマンションに暮らす者が増える一方で、生活保護を受けながら、月額家賃1万円程度の“限界団地”で暮らす者もいます。日本語が不得手なことや能力の差によってもたらされるその格差は、“黒いビジネス“が横行するには十分。今、在日中国人の間に広がる“闇“を解剖します。(ライター 根本直樹、本記事は週刊ダイヤモンド2018年7月7日号からの抜粋です)
荒川を挟んで埼玉県川口市と近接する赤羽(東京都北区)の区営団地。その一室に“事務所”を構える、中国残留孤児3世で指定暴力団組員のタカヤマ(仮名、中国籍)は、建設会社などに作業員を送り出すことで、月に120万~150万円もの収入を得る。タカヤマは言う。
「団地に住む貧乏な中国人を送り込んでいる。建設会社から1人当たり1万5000円くらいの日当が入るが、俺は手数料として8000円から1万円を抜く。彼らのおかげでそれなりの暮らしをさせてもらっているよ」
建設会社に送り出された中国人は、そこから全国の工事現場や福島県の除染現場に派遣されていく。こうした“貧困ビジネス”の食い物になっている“下流”在日中国人とは、どんな人々なのか。
「留学生? 違う。今どきの留学生は大陸の親からたっぷり仕送りをもらっているから、下手な日本人の学生よりもよほどいい暮らしをしている。俺が使っている中国人は定住者ビザで長年日本に滞在している人間か、オーバーステイの人間、親族訪問のビザを使って日本と中国を半年ごとに行き来してるような人間だね」(タカヤマ)