米エネルギー省によると、住宅と商業ビルは米国のエネルギー消費量の40%を占めている。もし電線から電力を取り込まず、天然ガスも使わない建物を作れるとしたらどうだろう。しかも建築に必要な材料や技術は通常の建築物とほぼ変わらないか、建築コストの上乗せがせいぜい10%だったとしたら?10年近く前にエネルギー省が定めた基準「ゼロエネルギー準備住宅」のおかげでそんな建築物が現実のものになりつつある。ゼロエネルギー準備住宅とはエネルギー消費量が少なく、差し引きでエネルギーの収支がゼロになる「準備」ができている住宅のことで、電線は引いてあるが、必要な電力は理論上、屋根に設置した太陽光パネルで賄える住宅を意味する。ドイツ発の住宅性能基準「パッシブハウス」から生まれた建物も断熱性が高く、冷暖房用に外部からエネルギーを取り込む必要はほとんどない。
ゼロエネルギー住宅、米で普及の兆し
2020年には欧米で大幅な需要増が見込まれている
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