これには「その通り!」と激しく同意をする人も多いかもしれない。ご存じのように今、日本中が「生産性向上」に取り組んでおり、働く人たちは、こんなお説教を耳にタコができるくらいされている。

「無駄を省いて、もっと効率的に仕事すべき」
「残業や休日出勤など長時間ダラダラ働くのは生産性が低くなる」
「ITやクラウドを活用して、もっと省人化に務めるべきだ」

 日本人はマジメなので、みな言われた通りに頑張る。そんな苦労を強いられているのに、「G7最下位」などありえない。データの算出方法が間違っているのではないか――。そんな風に懐疑的に見ている方も少なくないのではないか。

 だが、残念ながらこれは大きな勘違いだと言わざるを得ない。生産性と「効率の良し悪し」は、あまり関係ないからだ。

「高品質低価格」実現の裏には
労働者の賃金の低さがある

 労働生産性というのは、労働者1人あたりが生み出した成果――つまり、生産額や付加価値を、労働者数や総労働時間で割って、「購買力平価」という国際的な値を用いて円ドルを換算したものだ。確かに、労働時間の削減は割り算の「分母」の減少につながるから、まったくの無意味ではない。

 ただ、それよりも遥かに効果があるのは、「分子」を増やす、つまり生産額や付加価値を上げることにあることは言うまでもあるまい。

 つまり、いま日本中の労働現場で叫ばれている「もっと効率良く!」「もっと労働時間を短く!」という取り組みは残念ながら、生産性向上には大きく寄与しない。厳しいことを言ってしまうと、こんなトンチンカンな方法を続けているから、47年間も生産性が低いままなのだ。

 また、問題なのは「低価格」だけであって、日本人の生産性自体は高い、みたいな考え方も誤解に基づいている。