もう1つの狙いは、みずほ自身がデジタルネイティブ世代との接点を持つために、金融と非金融の業者が手を組み、新しい金融モデルを作っていくというアピールをすることです。

 変化の激しいこの時代に、付加価値が高い新たなサービスを生み出すには、パートナーが必要だと思っています。そして、ときにはパートナーにドライバーシートに座って運転してもらい、銀行がナビゲーターとして助手席に座ることもある。今回は、LINEが主体となって運転席に座ってもらい、みずほが助手席に座ってリスク管理などの金融機能を担保するというわけです。

次の提携先候補もプラットフォーマー

――以前、みずほが銀行業界統一の電子マネーを進めるという「Jコイン構想」を打ち出したときも、データ活用を事業の柱に据えていました。今回の提携を含めて、データへのこだわりの強さを感じます。

 “21世紀の石油“と言われるデータをどう収集し、分析して活用するかは全産業のテーマです。われわれにしても、データを活用して、個人顧客や法人取引先にアドバイスする機能と、銀行の金融サービスの機能をアップグレードするという観点からも、LINEとの提携はとても重要な案件だと思っています。

――片や、今回の提携に対する金融業界の反応を取材していると、IT企業のLINEが主導して銀行を作るにあたり、マネーロンダリング(不正資金の洗浄)対策といった領域への対策に不安を感じるという声も聞きます。

 それはどうでしょうか。銀行を設立する上で、LINEとみずほの両社から人材を共有しますし、みずほが培ったリスク管理やコンプライアンス、情報管理に対するノウハウを提供することが提携のベースにあります。それは、利用者に対して大きな安心感を提供できるアピールポイントだという気がしますけどね。

――今回は、LINEという大きなメッセージアプリ界のプラットフォーマーが提携相手ですが、次に提携して銀行を設立するならばどのような相手になるのでしょう。

 それは内緒ですが(笑)、さまざまな可能性があると思っています。今、データ活用と新しい金融サービスの創出という2つの話をしましたが、その文脈だと、やはりプラットフォーマーと呼ばれる一定の経済圏や情報圏を持っている方々が、興味深いパートナー候補ではないかと思っています。