しかし、クリスはあきらめません。絶対にあきらめない。

 6ヵ月のインターンシップの終了時に採用試験が行なわれ、優秀なメンバーだけが数名、正社員として採用されるからです。そのチャンスをつかむために、毎日、夜中まで勉強を続けました。

 6ヵ月が過ぎ、試験結果発表の日。努力の甲斐あって、彼は正社員に採用されます。

 その後、クリスは証券会社で成功し、独立して億万長者となります。実在の人物、クリス・ガードナー氏の自伝を元にした作品です。

 ホームレスにまで転落したクリスが、採用試験に合格し、成功への切符を手にすることができた理由は、何だったのでしょうか?

 それは、「6ヵ月」という締め切り、制限時間が設定されていたからです。

 そして、自分のためだけではなく、息子のため、つまり 「人のため」に頑張ったから。これらの理由こそが、「苦しい」をモチベーションに変える技術そのものです。

心身の能力を瞬時に高める
「2つの脳内物質」

 あなたは、夏休みの宿題を最後の1日で終わらせたことはありませんか?

 多くの人が、夏休みの宿題を最後の1日、あるいは最後の数日で片づけたのではないかと思います。

 宿題が1日でできるのであれば、最初の1日ですべてやってしまえばいい。そう思っても実はそれはできないのです。

 背水の陣。火事場の馬鹿力。窮鼠猫を噛む。

 限界の状況に追い込まれた人間や動物が、実力以上の力を発揮することは、昔から知られています。また、あなた自身も、夏休みの宿題に限らず、締め切り直前の最後の追い込みなど、いろいろな場面で、それを実感しているはずです。

 なぜ、追い込まれると、実力以上の力を発揮できるのでしょうか? これもまた、脳内物質で説明できます。人は追い込まれると、ノルアドレナリンとアドレナリンが分泌されるのです。