『週刊ダイヤモンド』1月12日号の第一特集は「変わります!ニッポンの『酒』」です。日本の酒市場は縮小の一途をたどっています。その背景には、人口減少や消費者の嗜好の多様化などの環境変化があります。さらに、ビール類の酒税統一、ワイン輸入関税撤廃、RTDという新たな主役の登場など、市場環境は激変しています。生き残るのはどこか。サントリービール社長、山田賢治氏に今後の課題と戦略を伺いました。(本記事は特集からの抜粋です)

山田
山田賢治(やまだ・けんじ)/サントリービール社長 1961年山梨県生まれ。84年慶應義塾大学商学部卒業後、サントリーに入社。2004年ビール事業部営業部長、15年サントリーホールディングス執行役員、サントリー酒類常務。17年4月より現職。
Photo by Masato Kato

――消費者のビール嗜好の変化をどう捉え、サントリービールとしてどういう攻め手を模索していくべきだと考えていますか。

 日本人が飲食店でビールを飲む比率は、約10年前までは半分を占めていましたが、それがどんどん低下しました。より冷たく、爽快感が強い酒類への嗜好の変化や若者のビール離れもあり、2杯目でビールを飲む比率が落ちているのが現状です。

 そうすると、家庭でビールを飲んでいた人がサワーやハイボール、酎ハイを買う傾向になる。その流れはありますが、決して悲観する必要はなく、客にもっと寄り添えば勝機はあると考えています。

――その方策とは。

 例えば昨年、われわれは「ザ・プレミアム・モルツ(プレモル)」で「神泡」のマーケティングを大々的に展開しました。

 飲食店で一番良い泡の状態でビールを提供する店を「神泡店」に認定し、店のスタッフに「神泡のプレモルをどうぞ」といったコールをしてもらう。そう言われると客は「神泡って何?」と気になりますよね。

――「神」が付くほどの泡ってどんな泡なんですか。

 泡はサワーや酎ハイにはない、ビールにしかない特徴です。泡がクリーミーであればあるほど、ビールの炭酸が抜けるのを防いでくれる。一番良い状態のビールを最後まで飲めるのでずっとおいしい。それに飲みやすくまろやかな味わいになるので変な苦味がない。

 泡の質と量は、ビールに含まれる麦芽に由来しますが、プレモルは麦芽の量が通常のビールより多く、しかもダイヤモンド麦芽という世界的に貴重な麦芽を使っています。弊社の調査では、プレモルの泡は、他のブランドの泡より小さく、きめ細かいことが分かっています。