『週刊ダイヤモンド』1月12日号の第一特集は「変わります!ニッポンの『酒』」です。日本の酒市場は縮小の一途をたどっています。その背景には、人口減少や消費者の嗜好の多様化などの環境変化があります。さらに、ビール類の酒税統一、ワイン輸入関税撤廃、RTDという新たな主役の登場など、市場環境は激変しています。生き残るのはどこか。サッポロビール社長、高島英也氏に今後の課題と戦略を伺いました。(本記事は特集からの抜粋です。高島氏の高の文字は正式にはハシゴだか)

髙嶋
高島英也(たかしま・ひでや)/サッポロビール社長 1959年福島県生まれ。82年東北大学農学部卒業後、サッポロビールに入社。2007年仙台工場長、12年北海道本部長、15年ポッカサッポロフード&ビバレッジ専務執行役員。17年1月より現職。
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――ビール市場全体が縮小する中、大手メーカーの戦略の違いも明らかになってきています。サッポロビールが考える他社との差別化やブランディング戦略とは何でしょう。

 今は確かにビールに逆風が吹いていますが、あまり下を向く必要はないと思っています。「サッポロ生ビール黒ラベル」は142年の歴史に支えられ、世界に冠たるオンリーワンの商品です。原料栽培からこだわっているものづくりを徹底的に磨くこと。ブレずにここに注力し続けます。

 黒ラベルは2015年の期中にリニューアルしました。サッポロ独自の「うまさ長持ち麦芽」を増量し、黒ラベルならではの「麦のうま味と爽やかな後味のベストバランス」にさらに磨きをかけています。おかげさまで4年連続売り上げアップを達成できそうですし、特に缶ビールは10%に近い増加です。

――黒ラベル好調の理由は。

 10年にテレビCMで始めた「大人の☆生」シリーズは、20~30代の若い人に支持されています。俳優の妻夫木聡さんがさまざまな分野で活躍する人に話を聞く内容ですが、実はあれは台本がなく、3時間なり4時間なりのフリートーキングを編集して作っているんです。だから本音で語ってくれている。

 あの世界観に共感していただき、今まで黒ラベルを飲んだことのない人たちに手に取ってもらえるようになっている。「おいしいね」ということを体験してもらえるようになりました。

 また黒丸に金星の黒ラベルのロゴも飲食店やイベントで露出を増やしています。私も北海道にいたころ、黒ラベルのTシャツにジャケットを羽織り、出社していました(笑)。