米国で8日夜、テレビに大写しされたのは、移民問題に関して互いに聞く耳をもたないドナルド・トランプ大統領と議会民主党の指導者たちの姿だった。双方とも米国民に向けてすれ違う論旨を展開した。国民はもっと啓発的な番組、例えば恋愛リアリティー番組の「ザ・バチェラー」にチャンネルを変えても許されたことだろう。トランプ氏は「南の国境では人道的かつ安全保障上の危機が増している」と主張し、より多くの予算が必要だと訴えた。さらに違法移民たちがひどい犯罪を起こしていると並べ立て、そうした犯罪は国境の「鉄の壁」で阻止されることはないだろうと述べた。壁が有効に機能してきた場所もあるが、覚悟を決めた犯罪者はどんな方法を使っても薬物や人を違法入国させるものだ。