欧州連合(EU)の最高裁判所に当たる欧州司法裁判所の法務官は10日、米グーグルなどの検索エンジンに対してEUの「忘れられる権利」をEU域外で適用するよう強制することはできないとの見解を示した。欧州司法裁がこの勧告に従った場合、アルファベット傘下のグーグルにとって大きな勝利となる。フランスの個人情報保護当局は2015年、EUの忘れられる権利を全世界で適用するようグーグルに命じたが、同社はこの件を巡り3年にわたり法廷で争ってきた。欧州司法裁のマチェイ・シュプナール法務官は同日付の拘束力のない意見書で、EUがEU域外でアクセスされるウェブサイトからのコンテンツ削除を命じれば、他国・地域は独自の法規によってEU域内での情報のアクセスを阻止する恐れがあると指摘。「欧州および世界各地で表現の自由を最低レベルにおとしめる現実的リスクがある」と述べた。
グーグルに「忘れられる権利」の域外適用強制できず=EU法務官
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