毎年のことながら、受験生にとっていちばん大切な時期にインフルエンザが流行するのはなぜなのだろう。受験生を抱える家にとっては、インフルエンザを家に持ち込ませないことが重大な課題となる。そんなときに、日ごろ予防注射を怠ってきた「お父さん」がかかってしまったら…。家族から隔離されるインフルお父さんの悲哀を追った。(取材・文/フリーライター 武藤弘樹)
インフルに見る家族のあり方
哀愁がよく似合う“お父さん”
毎年冬はインフルエンザが流行るシーズンである。インフルエンザは高い感染力から他の風邪とは一線を画した扱いになっているのもあって、罹患した人の数だけそれにまつわるドラマが生まれる。
インフル患者の待遇の在り方は家庭によってさまざまで、手厚く看病する所もあれば結構な隔離措置を取られる所もある。それが、たとえ「一家の長」と言われる存在であっても。
あくまでこちら側の印象でしかないのだが、隔離されるお父さんの風景には強い哀愁が付きまとう。そしてお父さんという存在たるもの、哀愁がよく似合うのである。
今回はインフルお父さんたちが受けた迫害ともいえる看病のエピソードを紹介し、全国のインフルお父さんへのエールとしたい。
インフルが変えた意識
勧善懲悪の物語
Aさん(45歳男性)はインフルにかかったことがなかった。そのため健康を自負していて、インフルに苦しむ家族を見たり、インフルに苦しんだ友人のエピソードを聞くにつけ「体が丈夫じゃないからインフルなんぞにやられるのだ」と内心彼らを見下す気持ちもあった。