立憲民主は与党の「強敵」になれるかPhoto:PIXTA

首相や閣僚経験者、当選期数の多い重鎮議員で占められていた院内会派「無所属の会」が解散し、これら所属議員の大半が立憲民主党系の会派に入った。先の臨時国会では、立憲民主党をはじめ野党側は短時間審議と強行採決という与党側による強硬な姿勢に対して有効な対抗手段を講じることができなかった。無所属の重鎮議員らの参加で立憲民主党は与党に対抗できる「強敵」に変貌できるのだろうか。(室伏政策研究室代表、政策コンサルタント 室伏謙一)

「歴史に残る最悪の国会」と
評される臨時国会

 短時間の審議に強行採決に次ぐ強行採決で、嵐のように過ぎ去った先の臨時国会、野党は不信任決議や問責決議を連発する以外に決定打となるような対抗策もなく、移民法案や水道法改正案、漁業法改正案、日・EU経済連携協定等が次々と可決成立(経済連携協定等の条約については承認)されていった。

 この臨時国会を、「歴史に残る最悪の国会」と評する専門家もいるぐらいである。安易に、短時間での審議の事実上の打ち切りや強行採決等を行う安倍政権や与党に非があるのはもちろんであるが、一方で、与党側の強硬な姿勢に対して有効な対抗手段を講じることができなかった野党側に全く非がなかったとはいえまい。

 しかしそれは単に野党の数が少ないからとか、弱いからとか、スキャンダル追及や批判ばかりに終始しているからとか、そういった話ではない。野党がその持てる力を十二分に発揮できない状況、体制だったからではないだろうか。

 端的に言えば、与党側と交渉する野党筆頭国対が機能不全だった、少なくとも十分に機能していなかったということであり、これは野党筆頭の立憲民主党の在り方、立憲民主党系の院内会派「立憲民主党・無所属フォーラム」(「立憲民主党・市民クラブ」から名称変更)の在り方というところに行き着く。

 この院内会派、政党と必ずしも一致するものではないが、国会内活動においてはこの会派が単位となるため、実質的には国会内における政党のような存在である。その会派を巡っては、立憲民主党系会派と国民民主党系会派のどちらが衆参両院で筆頭になるか、端から見るとまさにどんぐりの背比べが繰り広げられた。