社内の評価と市場価値のズレが
残念な中途社員を生み出す

 大きくまとめれば、残念な中途社員が生まれるのは、1つの会社内という閉じた社会での評価と、市場価値とが一致していないケースと言えます。しかし、本人がそのズレに自覚的であることは非常に少ないです。

 特に、1つの会社だけで働いてきた人は、転職してはじめて前職での評価とのズレに気付きハッとすることが多いようです。それは自分を相対化する比較対象を持っていなかったのですから当然です。ですから、長いキャリアのなかで一度や二度は転職してみたほうがよいと思います。これは私が人材紹介をなりわいとしているから言うのではなく、1つの会社しか知らないと世間知らずのままで、下手をすれば会社にだまされたままでキャリアが終わる可能性もあるからです。

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 1社しか働いた経験のない人は、物差しが1つしかありません。すると、その物差しが狂っていても気付くことは難しい。もっとも転職してみたら2つ目の会社の物差しのほうが狂っていた、という場合もあるのですが。それも含めて世間を知ることが大切です。

 その意味では「出戻りOK」にしている会社はよいと思います。見ていると「こんな会社、辞めてやる!」と言って転職してきた人が「内部にいたときは気付かなかったけど、外側から見ると前の会社はこんなよいところもあったのだな」と理解して舞い戻ることもあります。会社にとってもタダで社外留学させたようなものですし、出戻り組は覚悟を決めて頑張ってくれますからメリットが大きいのです。

 出戻りするかどうかは別として、自分を閉じた社会のなかだけではなく外側に置いたらどのような評価になるかという視点は意識して持っておくべきでしょう。

(株式会社クライス・アンド・カンパニー代表取締役 丸山貴宏)