多くのライブ配信サービスに導入されている「投げ銭」システム。これに貢ぎすぎて破産状態の視聴者が急増しているという。その実態と理由について、ネットメディア評論家の落合正和氏に聞いた。(清談社 岡田光雄)
親の遺産を食いつぶし
1000万円貢いで風俗嬢に
「大好きな男性配信者がいて、彼に1000万円以上投げ銭しました。ファンの中では2、3番目にお金を使っていたと思います。でも結局、生活ができなくなって、普通に飲みに行くお金すらなくなりました。仕方ないので今は風俗で働いています」(リンさん・仮名、28歳)
今やスマホが1台あれば、誰でも生放送の配信や視聴ができる時代だ。そのため、ライブ配信サービスも乱立状態にある。
ここまで市場が急拡大した背景には、「投げ銭」システムの普及がある。これは、視聴者が好きな配信者のためにアイテムを購入して放送内で使用すると、その売り上げの一部が配信者にも入る仕組みだ。
しかし、この投げ銭システムを使って配信者に貢ぎすぎたせいで、破産寸前に陥るユーザーが急増しているのだ。
「ある40代の女性視聴者は、元ホストの雑談配信者に2000万円も使ったと話していました。亡くなった親の遺産を全部つぎ込み、一時期は生活保護も考えたとか。彼女はとにかく、サイト内の売上ランキングで彼を1位にしてあげるのが生きがいだったようです」(業界関係者)
現在、投げ銭システムを導入しているライブ配信サービスは、「YouTube Live」「ツイキャス」「ふわっち」「SHOWROOM」「17 Live」「Live.me」と枚挙にいとまがない。今後は「ニコ生」でも投げ銭を本格導入(9月末時点では試験導入)していく予定だ。