世界経済フォーラム(WEF)は毎年、経営や政策、思想の分野で指導的立場にある1000人に対し、世界が直面している約30のリスクについて、影響の大きさと発生する可能性に応じて順位を付けるよう依頼している。スイス・ダボスでの年次総会を来週に控え、16日に公表された今年の報告書では気候関連のリスクが首位だった。WEFがグローバルリスク報告書をまとめるのは今回で14回目だ。その時々の話題とともに登場し、消えていくリスクもあるが、気候に関するリスクは着実に順位を上げ、この3年間は首位を維持している。問題解決の第一歩が問題の存在を認めることだとすれば、気候変動は順調に解決に向かっているということになる。しかし現実はそうではない。世界は気候変動が問題であることは認めても、何かしらの対策を打つことにはそれほど積極的ではないからだ。これは特に米国の企業にいえることで、多くの企業は気候変動に懸念を示すものの、解決しようと取り組むのは利益に直接影響する問題だ。