原油市場は今週、中国発のニュースで乱高下してきた。北海ブレント原油先物は14日、貿易に関するデータが予想を大きく下回ったことから2.5%も下落した。15日には主に中国政府高官が景気刺激策の導入を示唆したおかげで2.8%の反騰を示した。現在は1バレル=61ドル前後で取引されている。投資家はこうした状況をどう考えるべきなのか。景気刺激策の話は割り引いて聞く必要がありそうだ。中国政府高官による景気刺激策の発表後にそれほど意義がある行動は取られないということは、2018年に証明されている。2019年には政策支援がいくらか強まりそうだということを踏まえても、実体経済活動への影響はしばらくないだろう。中国の信用成長率はようやく底を打ちそうだが、2015年半ばに始まった前回の信用成長率の回復パターンに基づくと、それによってコモディティー(商品)需要が高まるのはさらに6カ月ほど先ということになる。