中国Photo:Reuters

――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

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 原油市場は今週、中国発のニュースで乱高下してきた。北海ブレント原油先物は14日、貿易に関するデータが予想を大きく下回ったことから2.5%も下落した。15日には主に中国政府高官が景気刺激策の導入を示唆したおかげで2.8%の反騰を示した。現在は1バレル=61ドル前後で取引されている。

 投資家はこうした状況をどう考えるべきなのか。

 景気刺激策の話は割り引いて聞く必要がありそうだ。中国政府高官による景気刺激策の発表後にそれほど意義がある行動は取られないということは、2018年に証明されている。

 2019年には政策支援がいくらか強まりそうだということを踏まえても、実体経済活動への影響はしばらくないだろう。中国の信用成長率はようやく底を打ちそうだが、2015年半ばに始まった前回の信用成長率の回復パターンに基づくと、それによってコモディティー(商品)需要が高まるのはさらに6カ月ほど先ということになる。

 そこで重要となるのが現在の需要だが、楽観視できる状況にはない。11-12月期の原油輸入量は実際のところ非常に堅調で、前年同期比22%増の8670万トンだった。問題はそれがほぼ確実に第4四半期の原油価格急落を利用した在庫補充目的だということである。

 見かけの石油需要(製油所の通油量+石油製品純輸入)はより厳しい状況を示している。その3カ月移動平均を見ると、その成長率が7月から11月にかけて3%ポイント近くも低下してわずか5.5%になったということが分かる。

 こうした数値は中国における他のコモディティーの需要低下を示すデータと整合している。12月の銅鉱石・銅精鉱と石炭の輸入量はそれぞれ前年同月比11%、55%の減少だった。昨年8月には2ケタの減少率を示していた鉄鋼製品の純輸出量は、国内の建設需要の鈍化を反映して今や4カ月連続で増加している。中国で産業界と消費者の両方が逆風に直面していることを踏まえると、原油の需要成長率が低下基調にあるのも当然と言えるだろう。

 中国が米国との貿易交渉で何らかの合意に達することができれば、原油価格は一段の上昇を示すかもしれない。しかし現在の在庫補充サイクルが終われば、原油の輸入量は大幅に減少しそうだ。そうなれば、原油トレーダーはひどいショックに見舞われるかもしれない。

(The Wall Street Journal/Nathaniel Taplin)