MaaSのイメージを定めた
トヨタの功罪

ヤマハはゴルフカートベースにした展示車で提案ヤマハはゴルフカートベースにした展示車で提案

 冷静になって箱型EVを見てみれば、意外に現実的な提案かもしれない。ビジネス向けに法人で採用されるから、1台の価格がある程度高くなっても許される。移動速度も速くないだろうから、技術的にも難度は低い。

 もしも専用道を使って、時速10~20km程度で運行するのであれば、今すぐにでも実用化は可能だろう。実際に、ヤマハはゴルフカートをベースにした、非常にリーズナブルなシステムを提案していた。

 また、MaaSのイメージが一定方向に定まれば、実用化や普及にも有利だ。ハードウェアからソフトウェアの開発や、社会的なルールやコンセンサスの制定も、統一したイメージがある方がやりやすいだろう。こと「MaaS用の箱型EV」の実用化に関して言えば、トヨタの「e-Palette Concept」は大きく貢献したと言えるだろう。

メルセデス・ベンツの出展メルセデス・ベンツの出展

 業界内の、MaaSのイメージを定めたのが、トヨタの功であれば、一方で罪もある。

 それが、本来は多彩であるはずのMaaSの可能性を狭めたということ。箱型EVではない、まったく新しいMaaSというものもある。箱型EVを広めたトヨタは、一方で、MaaSはそれだけではないと提案する義務があるのではないだろうか。