今、中古マンションに熱い視線が注がれています。新築マンションの価格が高騰し過ぎて、手に届きにくくなっていることから、消費者の目がにわかに中古物件に向いているからです。1月16日に『マイホームは価値ある中古マンションを買いなさい!』(ダイヤモンド社)を上梓した著者の日下部理絵さんは、これまでに1000棟以上の物件を見てきたマンション管理のプロフェッショナル。日下部さんいわく、中古マンションは「値下がりしにくい価値ある物件」を選ぶのが賢い選択とのこと。では、どんな物件を選ぶのがいいのか? そのポイントをわかりやすく解説します。

購入するなら、<br />東京オリンピック開催前がいいか?<br />後がいいか?

不動産価格は2014年後半から少しずつ上昇し、現在も続く

 マンションの価格は、大きなイベントにも左右されます。

 皆さんが一番気にしているのは、2020年開催の東京オリンピック・パラリンピック(以下、東京オリンピック)ではないでしょうか。

 数年前までは、「東京オリンピックの後に、不動産価格は大暴落する。購入するならその後のほうが良い」という説が巷を賑わせていました。

 しかし、実際にはどうかといえば大地震などの災害や景気の動向などを除いては、大幅に価格が下落する要因が、あまり見つからないのが現状です。

 そもそも、不動産価格は2014年後半から少しずつ上昇しており、東京オリンピック開催の期待を受けて、東京を中心にさらに価格が上昇しています。

 選手村や競技場、インフラ建設のため、急ピッチで準備が進められていますが、その際の人手不足による人件費の高騰(5年前の1.3倍)や、建築資材の高騰も、マンション価格の上昇につながっています。

 このように色々な要因が重なり、不動産価格は現在も上昇しているのです。