今、中古マンションに熱い視線が注がれています。新築マンションの価格が高騰し過ぎて、手に届きにくくなっていることから、消費者の目がにわかに中古物件に向いているからです。1月16日に『マイホームは価値ある中古マンションを買いなさい!』(ダイヤモンド社)を上梓した著者の日下部理絵さんは、これまでに1000棟以上の物件を見てきたマンション管理のプロフェッショナル。日下部さんいわく、中古マンションは「値下がりしにくい価値ある物件」を選ぶのが賢い選択とのこと。では、どんな物件を選ぶのがいいのか? そのポイントをわかりやすく解説します。

新築マンションと中古マンションの逆転現象が起きている!

 

売れているのは、
新築ではなく中古マンション

 みなさま、こんにちは。マンションドクター(マンション管理士)の日下部理絵です。

 本連載に興味をもたれたということは、おそらく中古マンションの購入を検討中か、失敗しないために事前に情報を仕入れたい、勉強をされたいという方でしょう。

 中古マンションに限らず住宅の購入は、ほとんどの方にとって、これまでで一番高い買い物になるでしょう。「失敗できない」買い物の最たるもの、それが住宅の購入(中古マンション)ではないでしょうか。

 そして、「新築ではなく中古を」と考えたみなさんのご判断は、とても賢い選択だと言えます。なぜなら、近年は中古マンションが大いに注目されているからです。

 実際にマンションの販売状況を見てみると、最近よく売れているのは新築ではなく中古マンションです。

 2016年の「新築マンションの供給戸数」と「中古マンションの成約件数」を比較すると、新築の供給戸数3万5772戸に対して中古の成約戸数は3万7189戸(東日本不動産流通機構)となっています。

 中古の成約戸数が新築の供給戸数を抜き去るという「逆転現象」が起きているのです。皆さんの興味がわくお気持ちがよくわかります。