東京オリンピック前に買うかどうかは、
良い物件との出会いがあるかどうか

 いっぽうで2017年11月度では、中古マンションの在庫m2単価が48ヵ月ぶりに前年比下落し、需要と供給による市場在庫の価格調整がみられます。

 なお北京オリンピックの際は、不動産価格が上昇し、家賃が8倍にもなった賃貸物件もあったそうです。同じくロンドンオリンピックでも賃貸バブルがおこっています。

 東京オリンピックバブルが終わったあとの建築資材や人件費などの状況をどう判断するか?

 東京オリンピック開催に向けて、都市インフラ・公共インフラが整備されたときの価値をどう判断するか?

 過去のオリンピック後などを参考にしつつ、その辺りも含めての検討が必要になります。

 ちなみに、私なら、「東京オリンピック後に購入する」を視野に入れ、その間、頭金を貯めることを第一優先にします。

 しかし、もし良い物件との出会いがあった際には、慎重に購入を検討します。

 それは、今の物件価格が高すぎることと、中古物件は相手の懐事情にもよるので、急に掘り出し物が出回ったりすることもあるからです。

日下部 理絵(くさかべ・りえ)

大学在学中の2001年に実施された第1回マンション管理士・管理業務主任者試験に合格。大学卒業後、マンション管理会社勤務を経て、マンションの総合コンサルタント事務所「オフィス・日下部」を設立。女性ならではの視点で、マンション管理組合の相談や顧問業務にあたる。また、数多くの調査を通じて、中古マンションの実態に精通する。
これまでに「東京都マンション管理アドバイザー」「東京都立城南職業能力開発センターマンション維持管理科 専任講師」「一般社団法人マンション管理員検定協会 理事長」「一般社団法人マンション建替支援機構 副理事長」などを歴任。
マンションやマンション管理に関して、セミナー講師やコーディネーター、テレビ・ラジオ番組などにも出演多数。また、マンション好きが高じて、個人投資家としても区分所有物件を都心部中心に複数保有している。
主な著書に、『マンション理事になったらまず読む本』(実業之日本社)、『マンション管理組合・管理会社 これからのマンション管理ガイド』(ぱる出版)、『マンションの設備・管理が一番わかる』(技術評論社)、『目指せ! マンション管理員』(住宅新報社)などがある。