>>(上)より続く

知り合いとの交流
Facebookを謳歌する

 Bさん(40歳男性)がたしなむSNSはFacebookに限定されていた。Facebookひとつだけだが筋金入りで、はやり始めた2011年頃から利用し続けていた。投稿するし、他人の投稿にも積極的に参加していくスタイルである。

 Facebookといえば実名登録が多いという特徴がある。Bさんも実名で参加し、現実世界での知り合いを中心とした“友達”がいた。疎遠になってしまった知り合いもFacebookさえあればつながっていることができる。この点を特にBさんは気に入っていたようだった。

「Facebookがなかったら祝えなかったはずの、卒業以来会っていない学生時代の知り合いの結婚や出産、転勤や昇進などの報告へのお祝いの報告も簡単にできます。それに、知り合いのそうした報告を聞くのはとても嬉しく、また僕にとっても励みになるものでした。

 学生時代にさえなくて鬱々(うつうつ)と過ごしていた知り合いがいつの間にかマリンスポーツにハマっていたり、『将来の夢がない』といっていた友人が起業したりしているのをみるのも楽しかった。

 もちろん日常の投稿も、『充実してるんだな』と感じさせられて、嫌いではなかった」(Bさん)

 Bさんもしばしば投稿していたくらいであるから、それなりに周りに誇れる人生を歩んでいるはずだった。よく聞かれる指摘かもしれないがFacebookには人生自慢大会のような側面があり、そこに参加できるだけの資格を有していると、Bさんは無意識に自認していたわけである。

 ひねくれた言い回しをしたが何卒ご容赦願いたい。このひねくれた観点が、このあとのBさんのエピソードを語る上で重要なポイントとなっていくはずである。