でも、私はそれは逆に勝機だとも感じました。例えば大手のメーカーは、すでに販売することで利益が出ています。それをサブスク化すると、月額で売り上げ単価が落ちるので利益が出なくなります。だから大手のメーカーはサブスクをやるのはきついと思います。担当者は相当な覚悟が必要でしょう。その点、わたしたちのようなベンチャー企業は、スピードもあるし、そもそもベンチャーは3年赤字なんて当たり前。だから、わたしたちにもチャンスがあるんじゃないかと思いました。

大手家具メーカーもカマルクを通して
サブスク化することに興味を示している

 もうひとつのきっかけは、創業当時の引っ越しでした。それで家具店を30店くらいまわりましたが、私の気に入る家具はやたら高かった。それで値段が安いものを見にいくと、まったく心が動かされない。

 周囲の人たちに家具について聞いてみると、だいたいみんな同じような感覚で、ほとんどの人はイケアやニトリで買っているんです。安いし品質も良いから満足はしているんですが、もしかしたら他に選択肢がなかったからなんじゃないかと思ったんです。本当に満足して買っているのかどうか、最低ラインでの満足なんじゃないかと。

 それで、月額で利用できるサービスがあればいいなと思ったんです。利用期間を決めて、その期間が終われば買い取ったり、返却したり、継続もできる。良い家具、気に入った家具との暮らしを実現する敷居を下げられると思いました。

――家具業界では、同じような考え方をする企業が出てきています。まさにサブスク化の波が来ているようです。

 オフィス家具を納入するような商社や小売業者は、私たちの「サブスクライフ」をベンチマークしていると聞いています。

 ただ、大手の家具メーカーの中には、カマルクに卸すことで実質的にサブスクサービスをやろうというところが増えています。カマルクは、商品は基本的に購入という形で仕入れています。メーカーがこれを独自にやろうとすると、売り上げの回収期間は長くなるし、システムも開発しきゃいけない。その点、私たちといっしょにやれば、その必要はないということに気づいたんだと思います。1万点以上の家具がサブスクできるようになったのは、そういうメーカー側の考え方が変わってきたからです。