テスラの製造風景写真:ユニフォトプレス

――筆者のジョン・D・ストールはWSJのビジネスコラムニスト

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 イーロン・マスク氏が自分の会社の社名を変更して2年。アップルがモバイルデバイスへと軸足を移すのに伴い、10年前に社名から「コンピューター」を削除したように、マスク氏もテスラから「モーターズ」を取った。単なる自動車メーカーにはとどまらないとのメッセージだった。

 だがその取り組みは頓挫している。テスラは確かに、家庭向けにバッテリーや太陽光パネルも提供しているが、投資家の関心は、その洗練された電気自動車(EV)に集中している。

 その証拠として、テスラが量産セダン「モデル3」の生産拡大を目指す中、マスク氏の「生産地獄」発言は大きな注目を集めた。マスク氏が工場での寝泊まりや、自ら飛んできて現場の問題解決にあたるエピソードを繰り返すほど、テスラにとっては、適正価格で十分なEVを生産できるのかとの投資家の懸念を払しょくすることが難しくなっている。

 マスク氏は、アップルの別の戦略に目を向けてみるといい。つまり、美しく、うまく設計されたものを作り出すことではなく、誰もが欲しがる商品の製造を担当する別会社を見つけることに、大金は潜んでいるということだ。