前田容疑者は大学近くの富山市五福に住んでおり、近くには複数の警察官が24時間体制で勤務する五福交番がある。交番ではなく約7キロ離れた駐在所を狙ったのは、1人で勤務しているほうが手薄で拳銃を奪いやすいと考えたと想像できる。

 山本巡査部長は駐在所で妻、子どもの3人暮らし。事件当時、妻と子どもは外出していたという。

 富山県警は1月26日、前田容疑者を強盗殺人未遂と公務執行妨害の疑いで送検した。

歌舞伎町の襲撃も狙いは拳銃

 富山市の事件の翌日にも、交番で警察官が襲撃される事件が起きた。

 1月25日午前11時頃、東京・歌舞伎町交番で男性巡査(23)に刃渡り約7センチのはさみを突き付けて脅したとして、警視庁新宿署が公務執行妨害の疑いで住所不定、無職、富施正男容疑者(46)を現行犯逮捕した。

 こちらも狙いは拳銃で「コンビニで強盗しようと思い、拳銃が必要だった。刃物で脅し、無理やり奪うつもりだった」と供述しているという。新宿署は容疑を強盗未遂に切り替えて捜査している。

 この事件では、巡査が小型の盾を使って防御し、即座に富施容疑者を取り押さえていた。歌舞伎町交番は日本一の歓楽街「歌舞伎町」のほぼ全域を管轄する地上4階、地下1階と国内最大規模で、陣容も地方の警察署並みだ。そこに押し入って警察官から拳銃を奪うなど正気の沙汰とは思えないが、そういう方もいるのだろうとあきれるしかない。

 富山、歌舞伎町では失敗したとはいえ、万が一、拳銃強奪に成功し、世をはかなんで自暴自棄になった襲撃犯が、無関係の人を道連れにしようと無差別大量殺人を企てたらどうなるか。

 交番や駐在所に勤務する制服警察官が使用しているのは3種類あるが、いずれも5連発の回転式(リボルバー)拳銃だ。以前は「ニューナンブM60」限定だったが、後に米S&W(スミス・アンド・ウェッソン)社製の「M37」を導入。現在は同社製で日本警察の要請に応じたカスタマイズモデル「M360J SAKURA」が主流だ。