グーグルで学んだ「働き方改革」より大切な組織の動かし方
「働き方改革」が叫ばれるなか、より強い組織になるための本質的な改革は進んでいるだろうか。人が集まって離れない「ムーブメント型」組織のつくり方を考えよう(写真はイメージです) Photo:PIXTA

あらゆる産業や組織で「働き方改革」が叫ばれているが、果たして「より強い組織になるため」の本質的な改革は進んでいるだろうか。優秀な人材が集まり、ずっと働きたいと思える環境をつくれるかどうかは、「組織がムーブメントであるかどうか」にかかっていると僕は思う。創業から6年、freeeがスタートアップ企業として今日まで成長を続けてこられたのもそうで、「ムーブメント型の組織づくり」をいつも意識してきたことが大きい。これからの時代の「強い組織づくり」に大切なことって何だろう。このテーマを軸に、連載第1回は「ムーブメント型組織」のメリットについてお伝えしよう。

転職ばかりしていた僕が
グーグルで気持ちよく働けたワケ

「グーグルは、事業をビジネスではなくムーブメントと捉えている」

 僕がグーグルにいた2009年のことだった。社内の大きなイベントで聞いたスピーチに、大きな感銘を受けたのを今でもよく覚えている。

 それはグーグルが組織として掲げていた考え方ではない。レイチェル・ウッドストーンという当時の広報部門の責任者のスピーチで、その人の感性で表現した言葉だった。何となく聞いていただけなのに、彼女の感性やエッセンスが自分の中にストンと落ちてきた。「ああ、だから僕は今、グーグルにいるんだ」と腑に落ちたのだ。

 それまで僕は、組織に属することがあまり得意ではなかった。すぐに辞める癖があった。20代の頃は、大体1年か2年くらいでどんどん転職していた。もっと遡れば、中学、高校、大学と、いったい何度部活を変えたのだろう。覚えていないほどである。

 なぜなら、人生や自分の存在意義といったところまで俯瞰して考えるとき、「なんでそこまで頑張るの?」と言いたくなってしまう世界観があったから。それまで属してきた組織では、「なぜこれをやるんだろう」「何を目指してやっているのか」といった最終的な意義を見出せないでいた。