高橋弘樹(たかはし・ひろき)
1981年東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。2005年テレビ東京入社。入社以来13年、制作局でドキュメント・バラエティーなどを制作する。企画し、制作した『家、ついて行ってイイですか?』では、ひたすら「市井の人」を取り上げ、これまでに600人以上の全くの一般人の「人生ドラマ」を描き続ける。『吉木りさに怒られたい』『ジョージ・ポットマンの平成史』『パシれ! 秘境ヘリコプター』などでプロデューサー・演出を、『TVチャンピオン』『空から日本を見てみよう』『世界ナゼそこに?日本人』『所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!』などでディレクターを務める。
カメラマン、脚本、編集も兼任し、書いた脚本は約2000ページ、ロケ本数300回以上、編集500本以上。ネット配信連動番組『「人生を諦める技術」講座』、PR連動の電通Friend-Ship Project『嫌いな人を好きになる方法』、SNS連動番組『大正生まれだけど質問ある?』、ドラマ『文豪の食彩』(文化庁芸術祭参加作品)などで、脚本・演出・プロデューサーを担当する。著書に『TVディレクタ-の演出術』(筑摩書房)、『敗者の読書術』(主婦の友社)などがある。

「1秒単位」で人の心が離れる時代に
「1人でも多くの人」の心に届ける技術

(『1秒でつかむ 「見たことないおもしろさ」で最後まで飽きさせない32の技術』「はじめに」より)

本書を読んだ後のことについて、3つのことを約束します。

・仕事で使える「圧倒的な武器」が身についている
・日々の「テレビを観る時間」が超有意義になる
・脳内に「Let It Be」、かかる

「圧倒的な武器」とは何か。この本のタイトル「1秒でつかむ」という言葉の意味でもあります。

それは、コンテンツづくり、ものづくり、PR・広報、企画、営業、メディアなどの現場において、

(1)「誰も見たことのないおもしろい企画」を作る
(2) 「見えない魅力」を引き出す
(3) 「興味がない人」に、その魅力を「伝える」
(4) 1秒で「惹きつけて」、1秒も「飽きさせない」
(5) 人の心に「深く」突き刺さる

ための武器です。

ぼくは、現在、最後発キー局であるテレビ東京で『家、ついて行ってイイですか?』という番組を企画し、作っています。終電を逃した人に、「タクシー代をお支払いするので、家、ついて行ってイイですか?」と聞く。そして、OKならその場でついていく。ただそれだけの番組です。ただそれだけなんですが、2014年1月に放送が開始され、気づけば2019年で6年目に突入します。

そのほか、『吉木りさに怒られたい』『ジョージ・ポットマンの平成史』『空から日本を見てみよう』『世界ナゼそこに?日本人』などといった番組を作ってきました。

いま、すべてのコンテンツ産業で革命が起ころうとしています。それは「マーケティング革命」です。

ひと言でいうと、1秒単位で消費者の気分と向き合う時代が来た、ということです。

なんとなく計測されていた、それまでの「消費量」(テレビなら視聴率)ではなく、その消費が「どのような気分でなされ」、「どう次の消費行動に結びつくのか」までの分析が、AIや生体認証技術で可能になってきたからです。

テレビではそれが、「視聴質」というデータで表されます。これは、次のように算出されます。

VI値(滞在度=テレビの前の人数&滞在時間)×AI値(注視度=テレビの前での視線や表情)

最先端の人体認証技術を搭載したセンサーをテレビの上部に設置し、テレビの前にいる複数の視聴者の視線や表情を1秒ごとに測定し、算出しているのです(TVISION INSIGHTS 社が測定)。

とくにAI(Attention Index)は、テレビの前にいるがどういう姿勢でテレビを観ていたかの指標。数値が高いほど画面を注視していた人数が多く、注視秒数が長いことを示します。

テレビの前に人がいても、スマホ見てないか、本読んでたりしないか、寝ちゃってないか、などが、リアルに数値として反映されていくということです。これを1秒ごとに計測して、番組あたりの視聴質を算出しています。作り手が「言い訳」する余地のない、こわすぎるデータです。

この視聴質データランキングでは、2018年の1月クール(1〜3月)で、1位『西郷どん』、2位『世界の果てまでイッテQ!』に続いて、3位が『家、ついて行ってイイですか?』でした。「凝視している度数」だけをはかったAIでは、バラエティ1位。

「凝視している度数」だけをはかったAIでは、バラエティ1位
(出典:TVISION INSIGHTS 社のHPより)

この「視聴質」で新たに計測できるようになった「目ん玉が動かないほど、楽しんで観てもらう技術」のすべてを、他業界の方々に応用していただけるように書ききったのが、本書『1秒でつかむ』です。

この流れは、テレビだけではありません。スマホの爆発的な普及で、あらゆるコンテンツが、消費者の可処分時間を奪い合う時代になりました。

どんなに時間をかけて作った動画も、広告も、文章も、ほんの少しでも「つまんない」と思われたら、お客さんは離れます。逆に、「おもしろい!」と思われたら、一気にシェアされ、バズる時代でもあります。

1秒でつかむ 告知情報

「1秒たりとも、飽きないで観てもらいたい」

テレビマンはいつも、そう思ってテレビ番組を作っています。

なぜなら、テレビとは、世の中でもっともいらない業種。常々、そう思っているからです。気象情報や緊急地震速報など以外は、なくなっても誰も困らないからです。米や電気と違って、テレビがなくなっても、お腹が空いたり、体調が悪くなったりして、生命の危機にさらされるようになるわけではないからです。とりわけ、テレビ局のバラエティ制作部門というのは、世界でいちばんいらない職業なんです。

しかし、だからこそ、常に「おもしろくするためにはどうしたらいいのか」、そのプロフェッショナルになろうと努力します。だから、「1秒」にこだわる。

どの業界よりシビアに、1秒単位で「興味をもってもらう」「飽きさせない」ことに徹底的にこだわって突き詰められた技術は、本来そこまで突き詰める必要がない「テレビ以外のコンテンツ」に導入すれば、圧倒的に差別化する武器になります。

本書は、読んだあと「やる気が出た」とか、「なんか、変わった気がする」と、「思ってもらう」ことではありません。

「リアルに強力な武器を得た」という状態に、なる、本です。

見たことないおもしろさを作る「企画術」ならば、第1章。
見えない魅力を引き出す「取材術」に興味があれば、第2章。
魅力的な「伝え方」を研究したいならば、第3章と第4章。
「多くの人の心に、深くササってバズらせたい」ならば、第5章。
でも、頭から読んでいただくと、より深く本書を楽しんでいただけるはずです。

本書が、みなさまのお仕事のお役に立つとともに、読み終わった時、もっとテレビを楽しく観てもらえるようになっていただけていたら幸いです。


■新刊書籍のご案内

1秒でつかむ
「見たことないおもしろさ」で最後まで飽きさせない32の技術』

★発売即増刷決定!★

本書の「制作秘話」を赤裸々に公開した記事はこちら↓↓

1秒たりともよそ見できない。一気読み必至の『1秒でつかむ』はこうして生まれた

【大絶賛コメント多数到来!!】

・「この"圧倒的読書体験"をぜひ味わってほしい」(ライター)
・「『これ売りたい』より『これ読みたい』が先にくるってそんなない」(書店員)
・「520ページなのに、無駄なところがない」(投資会社広報)
「面白いです☆」(プロレスラー)
・「普段ハウツー系ビジネス書は買わないけど、1秒で購入欲をつかまれた」(編集者)……etc.

冒頭、1秒で「惹きつけて」
途中、1秒も「飽きさせず」
最後、1秒も「ムダじゃなかった」と思ってもらう
コンテンツの作り方32の全奥義!!

PR・広報、youtuber、webライター、
企画開発担当、営業、編集者
……etc.

プレゼンでググッと視線を引き寄せたい人
「PR動画」をバズらせたい広報担当
●「職業(副業)、youtuber」な人
「心を動かすエモい文章」を書きたい人
「こんなポンコツ商品どうすりゃ売れんだよ!」と、心の中でブチ切れそうな営業
「新規顧客」を開拓して売上を上げたいマーケ担当
●デザイナー、漫画家、図解士など、「クリエーター」として生きるすべての人へ

この"圧倒的没入感"で、差をつけろ! 

低予算なのに"どハマり度"No.1バラエティ
テレビ東京『家、ついて行ってイイですか?』仕掛け人の、
全思考・全ノウハウ32!!

【第1章】 1秒でつかむ「見たことないおもしろさ」の作り方 
1.新ジャンル開発力  〜「最も根本的な価値」を否定する
2.千利休式「引き算」力 〜「一番伝えたい価値」だけ残す
3.親鸞式「ネガティブLOVE」力〜「ウザい」の魅力を引き出す
4.バランス崩壊力 〜「金がない」は武器になる
8.全部ひとり力〜「分業」をやめると差別化できる
9.ルーティン本気力〜神は「細部にしか」宿らない   など

【第2章】コンテンツの魅力を引き出すために なぜ「ストーリー」が必要なのか?
10.「心の可視化」力 〜「見えてるもの」から「見えない魅力」を引き出す
11.自分「取調べ」力 〜「伝わらない壁」は自分の中にある
12.超・具体化力 〜「固有名詞」と「数字」が感情を呼び起こす

【第3章】より多くの人にストーリーの魅力を伝える技術
13.「は?」を消す力 〜「わかりにくさ」をなくす方法
14.めんどくさい撲滅力 〜マーケットを広げる「徹底的な快適さ」
15.360度注視力 〜わざわざ「アンチ」を作らない

【第4章】1秒も離さず常に興味を持ってもらう12の技術
16.すべては「設定力」 〜【1秒でつかむ】一気に引き込む4つの設定
17.価値観が逆転する「目線力」 〜【1秒でつかむ】 「興味ない」を「おもしろい」に変える魔法
18.タイムマシン編集力 〜【1秒でつかむ】逆から「因果関係」を作る
19.「矛盾する本能」解決力 〜【1秒でつかむ】「安心感」と「新規性」を両立させる方法
21.うんこ漏らす力 〜【1秒も飽きさせない】 予定調和を裏切り続ける
22.「笑い」を作る力 〜【1秒も飽きさせない】「難しい」を「楽しい」に変える13の技術
24.快適ひっぱり力 〜【1秒も飽きさせない】常に「なんだろう?」と思わせる
26.サウナ力 〜【1秒もムダじゃなかった】「原因の体験」で没入
27.東野圭吾力 〜【1秒もムダじゃなかった】「なぜ?」で犯人さえ好きになる   など

【第5章】人の心に突き刺さる「深さ」の作り方
28.マルチターゲット力 〜「広さ」と「深さ」を両立させる裏技
29.自分の欲望肯定力 〜「ほどよく狂う」が人を惹きつける
32.3つの「崩す力」 〜この本を閉じたあとの、「使い方」について    など

ご購入はこちらから↓
【Amazon】 【紀伊国屋WebStore】 【楽天ブックス】

※著者の制作番組はこちらから↓

『家、ついて行ってイイですか?』
毎週水曜日 よる9時〜 
https://www.tv-tokyo.co.jp/official/home_ii/

『新・美しい人に怒られたい』 ネットもテレ東で配信中
https://video.tv-tokyo.co.jp/txplay_okoraretai/