裏方にAIを使えば
国会審議も面白くなる

 タブレットには通信機能があるので、タブレットを見ながら外部との通信も可能だ。

 そうなると、国会答弁中も大臣は各省の担当部署と連絡ができる。国会審議の様相が変わるかもしれない。

 筆者は定型的な業務が多い役人こそAIに向いていると思っている。

 役所の業務は定型的であるとともに、えこひいきは御法度だ。それはかなりAIと適合している。

 国家公務員の残業の一因となっている国会対応だが、国会想定問答の大半は過去の想定問答と同じである。筆者は、一晩に100問以上の想定問答を作ったこともあったが、ほとんどは過去パターンの繰り返しだ。

 だからAIであればもっと早くできるだろう。実際、経産省ではAIによる国会想定問答作りが行われていて、すでに残業がなくなっていると、聞いた。

 いずれにしても、政府与党の大臣がタブレットを見て国会答弁し、そのタブレットで役所と常時連絡をとっている一方、質問をする側の野党も同じような方法にすると、組織力では、官僚組織が後ろに控えている政府与党のほうが一枚上かもしれない。

 しかし、野党も含め、裏方にAIを入れると、かなり面白い国会審議になるかもしれない。

 もっとも、そうなると、資質を問われるのは、国会での答弁者と質問者である。

 政治家が、AIの作った問答集をただ読むだけの単なるアナウンサーに成り下がっているかかどうかが、誰にもわかってしまうからだ。

ペーパーレス化に
野党が慎重なのはなぜ

 タブレット使用がこれだけ話題になったのだから、これを機に、国会のペーパーレス化に取り組んだらどうか。

 国会が開催されると、おびただしい量の書類が国会議員へ配布される。国会提出される予算案や法案、会議録などはすべて紙に印刷し、国会議員に配られる。

 だが、ほとんどは衆参両院のイントラネットや国会サイト、各省サイトで公開されており、電子データで国会議員のみならず国民でも読める。それでも印刷して国会議員に配るのは、衆参それぞれの議院規則で「配付」が定められているからだという。