これにより、昨年9月末に600億円あった現預金が1月に入って急激に減り始めたもようだ。同社は、INCJの債務保証で銀行から1070億円の融資枠を得ているが、それでも足りず、3月末までに中台連合との交渉がまとまらなければ資金繰り危機に陥る可能性が高まっている。

 つまり、現在JDIが進めている出資受け入れ交渉は、成長資金ではなく、運転資金の確保が目的だ。3月末を期限とする交渉は圧倒的に不利な立場に置かれる。

 JDIが1月23日に開いた取締役会では、ある社外取締役から「1株47円では安過ぎる。対抗できる提案がないので足元を見られるのではないか」との指摘が出たが、他に交渉相手もいない。

 このまま中台連合に経営の主導権を奪われる可能性が高まっているが、筆頭株主のINCJはJDI株のエグジット(株式売却)の第一歩として「早期にディールを成立させてもらいたい」(幹部)として強行する姿勢だ。

 JDIは19年3月期は5期連続の最終赤字に陥るのが確実な情勢。複数の関係者によると、東入來会長は昨年4月に経営幹部50人に向けて開いた経営説明会で「18年度に当期黒字を達成できなければ退任する」と宣言したという。日の丸ディスプレーの命運とともに同会長の進退を問う声が日に日に高まっている。