1on1ミーティング
間違った1on1では時間のムダづかいに。有効にするためには、どんなことに気をつければいいのでしょうか? Photo:PIXTA

部下と上司との新たなコミュニケーションのあり方として、「1on1ミーティング」を取り入れる企業が増えています。デジタルなコミュニケーションに慣れた若手社員が増え、新人社員の3割が3年以内に退職するといわれる時代。部下の本音を聞き出し、モチベーションを高めるにはどのようなコミュニケーションが有効なのでしょうか。『人事こそ最強の経営戦略』の著者であり人事戦略コンサルティングの第一人者・南和気氏が、人事が事業を支える企業を紹介していきます。今回はヤフーと 1on1ミーティングを取り上げます。

1on1ミーティングに
なぜ注目が集まるのか

 日本企業における上司と部下のコミュニケーションは、かつては非常に濃度の高いものでした。毎日職場で顔を突き合わせて、仕事の後の飲みニケーションや、新年会に忘年会、歓送迎会に花見など、多くの交流の場があったりしました。

 加えて、日本では「報連相」文化が定着しています。日報、週報、月報といった形で日々の状況を「報告」し、業務の結果を「連絡」し、さらに事前に必ず「相談」する。つまり、上司は、部下の業務の全てを把握し、部下の能力や性格も細かく理解しているのがあるべき姿であり、当たり前である、という文化です。

 よく日本人には「あうん」の呼吸があって、何も言わなくても伝わるといわれますが、それは必ずしも言葉どおりではありません。正しくは、「それまでに膨大な情報交換が行われているために、過去の傾向からどのような結果になるのかが予測できる」状態なのです。

 しかし、昭和の時代から脈々と培われてきたこのような職場環境は、現在崩壊しつつあります。

 昨今、「新卒社員の3割が3年以内に退職をする」といわれています。SNSに慣れ親しみ、デジタルネイティブと呼ばれる世代の若手社員は、飲み会でそう簡単に本音や愚痴を上司に話すでしょうか。

 また、今は個々の個性を伸ばす時代になり、その前提で教育を受けてきているにもかかわらず、社会に出た途端に同期が皆横並びで同じキャリアを進みます。個人の能力にかかわらず何年もこうした下積みを経験することが当たり前だと彼らに理解されるでしょうか。