読者である私も、そこを見直すきっかけになりました。その良さを生かした生活が現代でもできるのではないか。そう思って、野村総合研究所時代にある地方自治体に教育テーマパークとしての江戸村を提案したこともありました。

 ことほど左様に、発想の転換ができるようになるのがSFの力です。これは、年を取っても、いや、齢を重ねるにつれ、必要以上に常識の虜になっているからこそ、忘れてしまっているであろう自由な感性を取り戻すきっかけになる。そのためのいい教科書だと思っています。

電子書籍もまた、
私たちの強い味方となる

 読書を趣味として、片時も文庫本を手放さなかったわけですが、仕事も忙しくなり、家でゆっくり読むこともできず、結局、通勤や移動の最中に読むのが習慣になりました。

 しかし、50歳頃から急速に読む量が減りました。理由は目の衰えでした。私は近眼にもならず、目には自信があったのですが、老眼になってしまいました。特に読んでいたのが文庫本なので、字が小さくて読みにくくて仕方がない。だからといって、ハードカバーの本を持ち歩くのはきつい。明らかに本を読まない時期がありました。

 そこに登場したのが電子書籍です。私の場合はiPadにインストールしたキンドルでした。最初は扱いにくかったのですが、すぐに慣れます。ピンチアウトして文字を大きくすることもできるし、フォントサイズの変更から文字を好みの大きさに変えられる。

 最初はスマホで読んでいましたが、すぐにiPadに変えました。それからは、大きい文字にしてギミックのページめくりでシュッシュッとめくる感覚がたまらなく好きになりました。

 今読んでいる章の残りページ数もわかるので、降りる駅までの時間でスピードアップしてこの章だけ読み終えるといった技も使えます。